表紙はいいけど〜『バクマン。(9)』

ついに「バクマン。」の正ヒロイン・蒼木紅先生が表紙に登場!!…と喜んでいたら、本編ではほとんど登場していなかった…。以下ネタバレ。

バクマン。 9 (ジャンプコミックス)

バクマン。 9 (ジャンプコミックス)

シュージンと見吉が結婚するとかあまりリアリティもないし、マンガ家の話の本質にどこまで関係があるのか分からない。いくら『ゲゲゲの女房』が話題になっているとしても、マンガ家の妻にはあまり関心がわかない。そんなものを求めている読者もいないだろう。

この結婚のエピソードに意味を求めるとするならば、前巻までに「モテ期」に突入してあちこちにフラグを立てまくってしまったシュージンの、さまざまな分岐ルートを封印しようとしているのではないか(岩瀬のフラグがまだ立ったままではあるが)。いや、もっといえば、ラブコメ化を封印しているのかもしれない。要するに、ストーリーを拡散させないためのご都合主義の産物としての結婚。なんだかな。ちょっと無駄に迂回している感じだ。

で、肝心のマンガ連載の方は、「タント」がギャグマンガとして一定の評価を確保し始めた中、シュージンはギャグのネタに困り、サイコーは心底乗り切れていない。ということで、主役の二人にまたしても決定的な危機が。そして、二人は、ジャンプでの連載ができなくなるリスクを取ってでも、「タント」を終わらせることを決意する。果たしてその結果は…というところで次号へ。どうでもいいけど、次号発売のときにはNHKでアニメの放映も始まっているはず。

しかし、作家の方が自発的に「連載を終わらせる」とかいうのって、実際にはほとんどないんだろうな。