ファーストでベスト〜戸松遥『Rainbow Road』

戸松遥のライバルは、平野綾ではないかもしれない。むしろ、初音ミクではないか―彼女のファーストアルバム『Rainbow Road』を聴いて、そう思った。
このアルバムの収録曲はなんと14曲。といっても、うち7曲は既発シングル所収なので、純粋な新曲は7曲。しいていえば、ライブ向きの曲が追加されている感じかな。3月21日のJCBも控えているし。
ファーストアルバムなんだけど、ベストアルバムといったところ。以下、リストと簡単なインプレ。

Rainbow Road(初回生産限定盤)(DVD付)

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1. 自己中男
2. motto☆派手にね!(『かんなぎ』OP)
3. Circle
4. 七色みちしるべ
5. Girls, Be Ambitious. (『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』ED)
6. REWIND (シングル『naissance』C/W)
7. 記憶の景色
8. 産巣日の時 (『かんなぎ』ED)
9. naissance(『ここはグリーン・ウッド 〜青春男子寮日誌〜』ED)
10. Rainbow
11. Counter Attack
12. 未来時計 (シングル『Girls, Be Ambitious.』C/W)
13. Star☆Tripper
14. こいのうた(『神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS』ED)

M1…ファンキーなアップテンポのナンバー。一人称が「僕」なんだけど、男なのか「ボクっ娘」なのか微妙にわからない(いや後者なんだろうけど)
M2…80年代アイドル風というか、中山美穂リスペクトというか。神前暁の才能爆発。アレンジも秀逸。
M3…ロック色を感じる現在アイドル王道ソング。もうちょっと力強い歌唱力のほしいところ。
M4…本人作曲。名曲。しかし、ボーカルが初音ミクに聴こえてしまうのは俺がみっくみっくにされているせいなのか。
M5…最新シングル。分厚い伴奏。ベースライン、凝っているなあ。コーラスがミクに(ry
M6…無機質系バラード。ボーカルもアレンジも抑揚がないのでちょっと単調に感じるかなあ。
M7…しっとりとしたバラード。質感のあるボーカルとメリハリのあるアレンジの合わさった佳作。
M8…Enyaのような癒し系バラード。もう少し表現力がほしいと思うフレーズもあるかな。神前暁の引き出しの多さに脱帽。
M9…デビューシングル。初期松たか子のようなさわやかなポップス。しかし、とまっちゃんの声はかわいい。
M10…ブラジリアン・ミュージック、キター! っていうか初期コーネリアスだ。こういう曲ではむしろBossaのように淡々と引き気味に歌ってほしいかな。大西省吾の良い仕事。
M11…ライブの最後で炸裂しそうなアップテンポチューン。ヲタ芸ではなく、縦ノリで盛り上がりたい。
M12…マイナー進行のバラード。ちょっと悲しく切ないナンバー。ボーカルの表現力はさすが声優、というところ。
M13…テクノでスペースでちょっとPerfume。ロボットダンスで歌ってほしい。
M14…6/8でアコギでやさしい気持ちになるまさに「こいのうた」。良いメロディーライン。

まあ、ボーカロイドに商業的に勝つには最後は表現力が勝負。それこそが声優でありシンガーの価値だから。戸松遥には頑張ってほしい。

ビジュアル的には世の中の評価はどうなんだろう。写真を見ると全員別人に見えるけど。

公式サイト:404 Not Found