『かもめ食堂』を観た。小林聡美の演技は自然でかつ存在感があった。彼女が演じるサチエは、まるでマックス・ウェーバーのプロテスタントのようにストイックで、真摯に生きる様は見ていて気持ちよい。合気道や水泳の習慣を絶やさないのもよい(『レオン』を思い出させた)。
北欧の美しい色合いとデザインの中で、人々の人情が育まれる様は、やはりどこまで行っても日本的だ。そして、サチエが作るおにぎりが人の温かさを象徴するというのも、とても日本的。いくら北欧風にアレンジを試みても、やはり一番しっくりとくるのは日本のおにぎりだったというエピソードもあった。
凛として媚びない。それでいて、開放的で温かい。サチエもかもめ食堂もそんな存在だ。日本の文化も、他の様々な国の文化に対して妙なコンプレックスを感じることなく、あるがままに評価を仰げばよい―そんなメッセージを感じた。これはこれでありだと思う。
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