『ノルウェイの森』がついに映画化

ノルウェイの森』の映画化決定が発表された。原作は素晴らしい作品であると同時に、村上春樹にとっても私小説的な存在でもあるので、安易な映画化は作家本人が認めないだろうと思っていた。が、トラン・アン・ユンが監督ということで、微妙に湿った雰囲気をきちんと再現できそうで、ちょっと期待できる。

キャスティングについては、外野からの観測を含めて百花繚乱だろうが、決して「純愛」路線に流れて欲しくない(というか、個人的にはこれは恋愛小説ではないと思っている)。

まず、ジャニーズは回避。また、興行収入を狙った商業主義の介入も許すまじ。そして、配給会社の事情も排除。直子役だけはちゃんと脱げる女優でないとダメ。そんな感じで個人的予想。というか、ほとんど願望。

1987年に出版されて以来、国内総発行部数870万部、世界36の言語に翻訳されている、作家・村上春樹の大ベストセラー「ノルウェイの森」(講談社刊)がとうとう映画化されることになった。

本作は、37歳になった主人公が、飛行機の中でビートルズの「ノルウェイの森」のオーケストラ版を耳にしたことをきっかけに、18年前に自殺した親友の恋人との思い出を回想する青春小説。村上春樹の名を広く一般に知らしめた大出世作である。

今回の映画化でメガホンを握るのは、カンヌ国際映画祭カメラドール賞を受賞した「青いパパイヤの香り」(92)や「シクロ」(95)などで知られるトラン・アン・ユン監督。ベトナムで生まれ、その後フランスに亡命したトラン監督が、パリで「ノルウェイの森」フランス語版を読み、日本人俳優による映画化を思い立ったという。

「自分にとっても特別な作品であり、映像化は無条件でOKというわけにはいかない。でもトラン監督の作品は好きで、とにかく会ってみようと思った」という村上氏と04年に面会が実現し、丁寧に企画が進められた。

トラン監督は、本作の魅力について「力強く繊細で、激しさと優雅さが混沌としていて、官能的かつ詩情にあふれている。映画化するための幅広い題材を内包しており、映画化したいと直感したことが、原作の素晴らしさと豊かさの正当な評価につながるだろうと信じています」とコメントを寄せている。

08年にフランスで公開される新作スリラー「I Come with Rain」でSMAPの木村拓哉を起用したトラン監督だけに、今後発表される日本人キャストに注目が集まる。映画「ノルウェイの森」は来年2月から撮影開始し、2010年公開の予定。
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