ATMとスペースシャトル

三菱東京UFJ銀行のシステム統合は、マスコミの格好のネタ。どこかでトラブルが起きないかというあら探しから始まっているのだが、コメントの抜粋も恣意的だと思う。

ATM一部障害「早期の原因究明を」・セブン銀余波

 三菱東京UFJ銀行の新システム稼働に伴うとみられるATM障害で、預金の引き出しなどが一時できなくなった東京都内のセブン銀行店頭では12日、利用者らが戸惑う姿がみられた。

 同日午前、東京・丸の内のセブン銀本店でATMを使おうとした女性会社員(36)は「休み明けの午前中にこういう事態は困る」と顔をしかめる。3枚持つ旧東京三菱銀のキャッシュカードはどれも使えず、ATMの画面には『ご利用できません』との表示が出るばかりだったという。

 セブン銀によると、本店ATMの電話からは同日午前7時からの2時間で「ATMが使えない」などの問い合わせが約150件あった。正午前には、セブン銀の安斎隆社長が預金を引き出しに訪れ、「(三菱東京UFJ銀には)システムをちゃんとしてほしかった。早く原因究明をしてほしい」と渋い顔で語った。

日本経済新聞

マスコミの誘導尋問もあったのかもしれないが、「早く原因究明を」などという監督官庁感覚の抜けない安斎社長(日銀出身)もどうかと思う。

別にメガバンクをかばうつもりはないけれども、日本の金融機関の巨大システムの統合は世界レベルで見ても壮大なプロジェクトであり、そこでトラブルをゼロにするというのは、工学的には現実的ではない。

事前にどれだけしっかりと準備をして、トラブル発生時に適切かつ迅速な対応をして、被害を最小限に食い止めたかという点で評価を下すべきものだと思う。

NASAのスペースシャトルでタイルが剥がれたときに、それをあげつらっているだけでは、未来に進むことはできない。