Like an Angel〜『人のセックスを笑うな』

永作博美松山ケンイチ蒼井優忍成修吾という好キャスティング。特に最近評価の高い永作博美の魅力を捉えている。蒼井優は単にかわいいだけではなく、随所に天才的な演技力を見せた(特に観覧車のシーンと、退学後に学校を訪れるあたり)。

原作に比べると、ユリが相当に美化されているイメージ。"Let me fly like an angel…"と鼻歌を歌う永作の姿は、空こそ飛んでいないが、自由奔放な天使といっても過言ではない。

結局、みるめにとってユリは最後まで理解不能な「他者」であるわけで、そこがまた恋焦がれるという感情を生み出す原動力なのだ。にもかかわらず、いずれ分かり合えるような可能性を残したラストシーンは賛否両論だろう。

ただ、映画としては2時間20分というのは長すぎ。各カットの長尺は、実力派俳優達のアドリブを引き出すのが狙いだと思う(ラスト近くの忍成と蒼井優のシーンでは見事に成功している)が、編集段階でバッサリといってもいい場面もかなりあったと思う。

積極的に他人に勧められる作品かというとちょっと微妙だが、旬の俳優陣を集めたところはやはり見所。

公式サイト:hitoseku.com