"文学少女"シリーズの5作目にして、シリーズの「起承転結」の「転」となる節目の作品。
- 作者: 野村美月,竹岡美穂
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2007/08/30
- メディア: 文庫
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痛い。実に痛い話だ。「ライト」でも「スイート&ビター」でもなく、ひたすら胸を刺すように痛い。読み進めるたびにズキズキする。けっして水彩画調の淡い表紙に騙されてはいけない。
著者はこの巻を書きたいがために、ここまで登場人物を引っ張ってきたのだろう。伏線の見事さに敬服。この人は人間の心の闇を知っている。その深淵を覗いたことのある人だけにしかできない描写が、ここにはある。そして、僕らは近しい人の心の闇とどう付き合っていけばいいのか。そして、自分の中の心の闇とどう付き合っていけばいいのか。
その答は、"文学少女"の遠子先輩が知っている―