いま『あるある…』を批判するマスコミの可笑しさ

発掘!あるある大事典』とかいう番組が恒常的に胡散臭いことをやっているのは昔から気付いていた。データの捏造、いいかげんな実験、そして過剰な演出。特定の品目に病気予防等の効果があるかのように云って、流通市場での品不足を煽るかのような姿勢も気に食わなかった。

そして、今回の納豆事件。対照実験の欠如、過小な標本(サンプル)、再現性の欠如等の非科学性は、番組にとって文字通り致命傷となった。が、過去の特集も似たりよったりだったと思う。結局、視聴率を取るためには「嘘」が許されると考えられているマスコミの体質に問題があるのではないか。

たとえば、細木某の占い、江原某のオーラ(前世)、某の風水等、『あるある…』の非科学性とどこが違うというのだろうか。こういうもので視聴率を稼いでいる局が『あるある…』を批判しているのを見ると、文字通り「目糞(以下略)」だと思う。

こういうセンセーショナルな話題から一線を隠していると思っているに違いないNHKや新聞社だって、実は同様の批判を免れない。たとえば、内閣支持率に関する記事。所詮は「標本調査」にすぎないのに、0.5ポイント程度の変化でもそれを取り上げて、そのときの政策と関連付けて批判したりする。統計学的にどの程度の差があれば「有意」なのか明示もしないで。そもそも高校生が習う程度の統計学の理論を無視して「世論の変化」を語ることは、民意に対する越権行為であり、民主主義国家においては僭越の極みだ。

マスコミがいま『あるある…』批判を行うのは遅すぎるくらいだが、それだけでは十分ではない。自社に同種の問題がないかどうかを洗い出すくらいの姿勢が求められるように思う。