北朝鮮のミサイルを封じるために

北朝鮮はテポドン2号を含む複数のミサイルを日本海に向けて発射した。これは挑発だ。いや、挑戦だ。世が世なら事実上の宣戦布告とも解釈できよう。今回の暴挙には、日本、韓国のみならず、ある程度の後ろ盾を任じてきた中国でさえも困惑しているはずだ。

さて、北朝鮮のミサイルの針路になった日本はどういう態度で臨むべきか。「わが国は武力を放棄しているのですから、攻撃するのはどうか勘弁して下さい」などと一国平和主義的な態度を取ることは全く解決にならないだろう。

であれば、どうするか。まずは、敵国に対して経済報復措置を取る。さしあたり定期船の入港禁止。次に、国連安保理に対する非難決議の提案。これは、他国への武力による脅威を断固として認めないという国際世論を喚起する手段として有力だろう。最後に、米国やフランス、中国等の有力国に働きかけて、かの国へのプレッシャーを強めていくということか。

いずれにしても、独裁軍事国家としては末期的症状であり、6カ国協議の枠組みも機能しそうにない。だが、米国主導による空爆から金政権を瓦解させることは、南北統一を目論む韓国の思惑とも、影響力の保持を画策する中国の狙いとも合致しない。原則論としては、国連を通じた平和維持の枠組みを優先するべきである。ただし、この方法は実行力に欠ける。となれば、軟着陸のためのベストシナリオは、かの国の中である程度現実的な勢力によるクーデターが起こり、雪解けが演出されることだ。要は、北朝鮮にゴルバチョフが現れればよいのである。

しかし、クレムリンよりもさらにひどい独裁・世襲政権の下では、ゴルバチョフの登場は期待できない。となれば、秘密裏に凄腕のスナイパーを工作員として潜入させて…というシナリオか。つまり、ゴルバチョフよりも、ゴルゴこそが必要とされているのかもしれない。

(写真のフィギュアは「ゴルゴ13」の記念すべき第一話より)