今年も日経優秀製品賞を嗤う〜いまさらPIXUS iP8600が受賞?

ちょうど一年前のエントリ(id:SHARP:20050105)で、この賞がいかに時期を逸しているのかを指摘したが、今年もまた日経は懲りることなく、2年前の製品に対して最優秀賞を与えている。

本日発表になった「2005年 日経優秀製品・サービス賞」によると、「日本経済新聞賞」の最優秀賞は、キヤノンのプリンター「PIXUS」他4点が授賞。ここでPIXUSの詳細モデル名は書いていないが、14ページの写真と次の紹介文からすると、PIXUS iP8600(写真)のようだ。

(前略)…トレイを本体に内蔵するなど斬新な箱型デザインを採用した。壁面に寄せて設置できるなど省スペースも実現。色は漆塗りのような光沢のある黒色などを使った。
(2006年1月6日付日経新聞

「漆黒のPIXUS」は、2004年11月に発売されて同年末の年賀状商戦を戦ったモデルだ(参考記事【今年のPIXUSシリーズ】〜新筐体&新インクでA4機を一新)。しかし、2005年、キヤノンPIXUSは方向性を変更されている。まず主力シリーズがMP500を中心とする複合機にシフトし、2004年に漆黒をまとったiPシリーズも2005年モデルではシルバー基調にカラーリングを変更された。

「漆塗りのような光沢のある黒色」のPIXUSに賞を与えるのであれば、一年前の2004年の賞でなくてはならない。ちなみに、今日の日経に写真が掲載されているiP8600のスペックは4800×2400dpiであり、2005年モデルの普及機であるiP4200の9600×2400dpiと比べても、とても「優秀」とは呼べない。

もし2005年のPIXUSに最優秀賞を与えるならば、MP500に対して「家庭用プリンタ複合機の市場を大いに開拓した」という理由になるべきだろう。ということで、日経の審査委員会(委員長・吉川弘之東京大学名誉教授)には、猛省を促したい(←某新聞社の社説風)、

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