ザ・ベストライブ (1988年5月)@池袋Space emo

昭和アイドルアーカイブスによる新企画「ザ・ベストライブ」が、池袋Space emoで開催された。

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出演は、さんみゅ〜、ハコイリ♡ムスメ、橘はるか、南ななこ(南口奈々)。

元GEMの南ななこは、改名してから初のステージ。

企画は、TBSで放映していた人気番組「ザ・ベストテン」。

ボードと回転扉はないけれども、懐かしのOPミュージックで幕を開け、出演者が交互に司会役となり、あのBGMでランキングを一つずつ紹介していく凝った作り。

トップバッターの10位は、ハコイリ♡ムスメの阿部かれんソロで「ミーハー」(森高千里)。

当時の森高は、ドラム叩いたり、個性的な歌詞を作詞していたりと、こじらせ気味のところが魅力。

それを根っからのお嬢様の阿部かれんが「お嬢様じゃないの 私ただのミーハー」と歌うところが面白かった。

阿部かれんは、森高カバーで「17歳」「私がオバさんになっても」「ミーハー」を歌ったことになるので、次あたり「ザ・ストレス」をお願いしたい、ウェイトレス衣装で←

9位は、酒井法子の「1億のスマイル」で、酒井とくればサンミュージックのさんみゅ〜で木下綾菜ソロ。

清楚でひたむきな感じが当時ののりピーを彷彿とさせた。

さんみゅ〜はこの日、私服風の衣装だったんだけれども、昭和レトロな感じのテイストですごく似合っていた(やーちゃんプロデュース)。

8位は、歴史に残るバラードの名曲「You're My Only SHININ'STAR」(中山美穂)。

じっくりと歌い上げるタイプの曲で、橘はるかの得意ゾーンだと思ったが、昨日舞台を終えたばかりの橘はややハスキーな声で、万全ではないとのこと。本人は悔しかったかもしれないが、オリジナルの切なげな雰囲気がよく出ていた。

7位は、うしろ髪ひかれ隊で「ご期待ください!」。これはハコムスの領分だが、初カバー。

ひらけ!ポンキッキ』のオープニング・エンディングテーマだった曲で、歌詞は子ども賛歌みたいな感じだけれど、天真爛漫な吉田万葉とか井上姫月に「子どもの将来、ご期待ください」とか歌われると、本当に期待したくなるね。



ここでCMコーナー。

ステージ前のスクリーンが降りると当時のCMのオマージュが流れる。

藤井隆のMVでもそういう企画あったけれども、今回はまず酒井法子のban16のCMをさんみゅーの野田真実がオマージュ。

アイドルといえばデオドラントだよね、という感じで爽やかな印象が残った。



CM明けは第6位。

松田聖子の「Marrakech」。松田聖子といえば、南ななこという感じ。

リゾートワンピース風の衣装で歌って踊る南のパフォーマンスは、どこからどう見ても昭和アイドルという感じ。

グラビアでも活躍しているのがうなずけるダイナマイトなステージだった。

5位は、まさかの男性アイドル「抱きしめてTONIGHT」(田原俊彦)。

松田聖子の後に田原俊彦というのは、いかにもザ・ベストテン的というか、当時の空気を思い出させるものがあった。

さんみゅ〜も男性曲を違和感なく歌い上げていてさすが。

途中で色とりどりの風船がステージから出てきて、中にはさんみゅ〜メンバーのサイン入りも。

それにしても、この頃のヒット曲が、打ち込みのダンスミュージックの影響が強くて、ああバブルという感じ。

4位は、中森明菜「TATOO」。

これは橘はるかのターンだったが、喉の調子が万全でないということで、ゲストとしてむちょうせい豆乳が登場。

笑いとブーイングを誘いながらのパフォーマンス。こういうのも昭和の歌番組の雰囲気だったかなと記憶をたぐる。

微妙な空気になったところで、まさかの「今週のスポットライト」。

これは橘以外の全員が出演し、「SUGAR BABY LOVE」(Wink)をスタンドマイクで。

フロントには、センターに南、そして左右にハコイリ♡ムスメの星とさんみゅ〜の小林。

オールディーズな雰囲気の初期Winkは、ハコムスのカバーレパートリーの中では「By My Diamond!」(ribbon)に通じるものがある。

ステージに11人のメンバーが所狭しと並んだ光景には迫力があった。

そして、南さん、さっきの松田聖子のカバーの時とは衣装をガラッと変えてきて、気合いを感じた。


ここでまたCMコーナー。

井上姫月が車に乗って、助手席を開けて「皆さーん、お元気ですかー?」と語る、井上陽水=井上姫月の井上つながりな日産セフィーロのCMオマージュ。

井上の屈託のない笑顔はCM向きだと改めて思った。


ここからはいよいよベスト3。


3位は、渡辺美里「恋したっていいじゃない」。これは南がソロで。

渡辺美里は、大江千里と並んでEPICソニー黄金期を作った才能だと思うけれども、これもアイドルではないものの、すごくアイドル性の高い楽曲。

南ななこの、コールアンドレスポンス、クラップなどでの観客を巻き込むパフォーマンスが凄くて、ソロアイドルとしての「格」みたいなものを感じた。とてもこの間までグループアイドルだった人とは思えないというか。

圧巻だった。

2位は、「パラダイス銀河」(光GENJI)。

これはハコムスのターン。なんと、ローラースケートをつけて阿部かれん登場。

アイススケートを得意とする阿部かれんが、ステージの上でローラースケートで舞うという貴重なライブを目撃することができた。

あと、「ハコムスが男性アイドルのカバー?」とか思ったけれど、この曲、コールが入れやすかったので、凄く楽しかった。

最後の1位は、この時代を代表するアイドルソング「C-Girl」(浅香唯)。

これは、以前つりビットが定期公演でカバーするのを聞いたことがあるけれど、エバーグリーンなイイキョクだと思う。

歌うのは、さんみゅ〜だったけれども、後半からはポンポンを持ったスクールメイツのようなバックダンサー役で他の出演者が一斉に登場。

ザ・ベストテン」というか、「レッツゴー・ヤング」のサンデーズ感があった(おっさんにしか分からない)。


ということで、ベストテンに加えて、スポットライトの一曲を加えた全11曲の「ザ・ベストライブ」が終了。

最後に、全員が並んで今日の感想を一言ずつ・・・だったが、むちょうせい豆乳も登場。

俺のみんなのアイドル阿部かれんちゃんをハリセンで叩いたのは許さないぞ!

・・・って感じでイベント終了。

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全体的に企画側のこだわりを感じるイベントだった。

できれば、次は座席+スクリーンのある会場で見たいかな。カルチャーズとかカルカルとかの。


(セットリスト)

10位 ミーハー/森高千里(阿部)
9位 1億のスマイル/酒井法子(木下)
8位 You're My Only SHININ'STAR/中山美穂(橘)
7位 ご期待ください!/うしろ髪ひかれ隊(ハコムス我妻・吉田・井上)
6位 Marrakech/松田聖子(南)
5位 抱きしめてTONIGHT/田原俊彦(さんみゅ〜)
4位 TATTOO/中森明菜(橘)
今週のスポットライト SUGAR BABY LOVE/Wink(南・小林・星)
3位 恋したっていいじゃない/渡辺美里(南)
2位 パラダイス銀河/光GENJI(ハコムス*)
1位 C-Girl/浅香唯(さんみゅ〜)

ハコムス野外音楽会@東陽町イースト21(第二部)

ハコムスの野外音楽会は、久しぶりの東陽町イースト21

ビルの谷間なので日向と日陰の差が強くて吹き抜けの風が強目の場所だが、春や秋なら過ごしやすくて野外イベントには良い場所。

今日は、第二部のバレエ衣装の会を観覧。

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戸羽望実ちゃんが欠席した7人編成だったが、ハコムスらしい綺麗なフォーメーションダンス。

バレエにちなんだ「パドドゥ」、「バレリーナ」という歌詞のある河合その子曲を2曲、そしてハコムスの今春のオリジナル「エトワールを夢みて」。これもバレエ曲。

最後の曲は2階から観ていたけれども、阿部かれんちゃんと吉田万葉ちゃんのバレエ対決の美しさを味わえた。

終演後は、握手会と個別撮影へ。

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「来ちゃったね、イタリア」的な阿部かれんちゃん。


I love youが言えない
二人だから
黄昏を待ってるの
(「シーサイド セッション」内海和子 from おニャン子クラブ

…的なイメージで。

(セットリスト)

1 色・ホワイトブレンド中山美穂
2 午後のパドドゥ/河合その子
3 シャボンの溜め息/宮前真樹(CoCo)
4 哀愁のカルナバル/河合その子
5 エトワールを夢みて/ハコイリ♡ムスメ

青山裕企 × アクアノート「プロの撮り方が学べる・アイドルフォト撮影会」@カプリ板橋

「アイドル」で「撮影」というと、ライブ撮影と2ショットチェキが主流。

しかし、ここ数年、「メンバーをカメラで個人撮影する」という特典会やイベントが増えてきている。

ポートレート好きのカメラマンがアイドル現場に行ったり、アイドルファンが「推し」を撮るためにカメラを買ったり…

自分の好きなアイドルが、自分のためだけにポーズや表情を決めてくれる。それをまるで写真集やグラビアのように残せるというのは、とても満足の得られる体験だ。

そんなトレンドをタイムリーに捉えた企画が、プロカメラマンの青山裕企と、新進気鋭のアイドルグループ・アクアノートのコラボで開催された。

場所は、JR板橋駅から近いスタジオ・カプリ板橋。

イベントは、「撮影(第一部)→青山裕企による講義→撮影(第二部)→青山裕企による実演見学→撮影(第三部)」という順で進行。

撮影会(第一部)(11:05-11:50)(逢嶋ひな〜美波ももか)

入場時に参加者30名を4チームに分け、それぞれのチームごとにモデル・部屋を割り当てられたところで撮影開始。

僕のグループは、最初は、大きな窓から自然光の差し込むリビングで、逢嶋ひなちゃんを。

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自然光が白いインテリアに反射して回り込む。

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ひなちゃんかわいい。

撮影は各自1分の「順撮り」のターンを4周(モデル2人の部は2周)するという構成。

「囲み」で撮るよりずっと撮りやすい。

ちなみにカメラは、FUJIFILMコンデジX100Fを使用した。

23mm F2の単焦点(画角はフルサイズ換算で35mm)。

足を使って寄ったり引いたりできるハウススタジオなら、これで十分。

次に、最上階に上がって、吹き抜け脇の回廊で美波ももかちゃんを撮影。

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スタイルの良さが引き立つ。

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ここも、光がよく回っていい感じ。

青山裕企による講義(11:50-12:10)

青山裕企さんはテーマを前面に出した作品をいくつも出していて、アイドルの写真集も多い。

僕が一番好きなのは、生駒里奈さんを撮った『君の足跡』。

sharp.hatenablog.com

ノスタルジックで「青春」へのこだわりの強く感じられる作品。

そんな青山さんが今回の講義で教えてくれたのは、主に以下のような内容。

・「光」が一番大事。撮りたい場所で、自分の手のひらを広げてみて、色や明るさを見る。
・会話と指示のバランス。会話で雰囲気を作りながら、指示で自分のイメージに近づける。
・直立のポーズは緊張しやすい。壁にもたれ掛けさせる、座らせる、時にジャンプさせる。
・表情をほぐすための会話は大切。褒める。服を褒めるのも効果的。

こんな感じ。

語り口にもユーモアがあって、ときに爆笑も起きた。

青山さんは「アイドルの撮り方」に関する本を出版予定ということで、詳細はそちらの方で。

第二部(11:50-12:35)(夢咲摩萌)

次は10階で夢咲摩萌ちゃんを撮影。

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女の子の部屋風のインテリアに、普段着っぽい衣装で、プライベート感半端ない。

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「お部屋訪問」的な感じで。

青山裕企による実演見学(12:40-13:10)

ここで青山裕企さんから、先ほどの講義を元に撮影の実演。

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プロカメラマンがモデルを撮る現場を見られるのは本当に貴重な機会。

雑談をして緊張をほぐしたり、イメージを伝えたりするのに、かなり時間を割いている。

シャッターを切るのはむしろ少なめ。

「1分で1枚いいカットが撮れればいい」

「1時間で20カットくらい、いろんなバリエーションでいいカットが撮れればもうプロ」

とのこと。

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参加者はそんなお話を聞きながら、プロの撮るモデルを脇撮り。

これだけでもかなりの価値だ。

撮影(第三部)(13:10-13:55)(佐山すずか)

そして、自分のいたグループの最後の撮影は、佐山すずかちゃん。

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親しみやすい雰囲気のさやすず。

もっと違う表情も見たくなって、カメラをX100FからX-T2 + XF56mm F1.2Rに持ち替える。

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初対面なのに撮影に夢中になって自己紹介も忘れてしまった。

この後のさやすず個人撮影も申し込んでいたが、そっちの方は抽選の結果落選。ということで残念ながら今日はここまで。

イベントは予定時間を40分以上押して終了。

時間:11時〜14時
場所:カプリ板橋(ハウススタジオ)
参加者:30名
参加費:5000円
講師:青山裕企
講義・実演:講義20分、実演見学30分
モデル:アクアノート(逢嶋ひな、美波ももか、夢咲摩萌、佐山すずか)
個人撮影:モデル4名・合計12分(1分×12回)

申し込み開始直後にほぼ瞬殺になったのもうなずける。

「アイドルを個人撮影したい」という今のニーズをうまく捉えた企画だった。

行けて良かったな。