この道を行くのは他の誰かではない〜アクアノート3rdワンマンライブ「AQUASONIC」@ harevutai

この道を行くのは そう 他の誰かではない
わたし色にきらめいて
(アクアノート「アクアソニック」)

2018年4月に結成されたアクアノートは、AKIBAカルチャーズ劇場の新人公演に出演して、最多動員。

新人公演で優勝して、「真夏のシンデレラ」の称号を獲得し、それを機会に三大フェスにも出演して、一気に知名度をあげて・・・とはならず。

逆転で「準優勝」という結果となり、TIFにも@JAM EXPOにもいまだに出演は果たせず。

前回のワンマンライブの会場はお披露目ライブと同じ恵比寿CreAto、動員数は202人という規模に止まっている。

そんな中、先日はオリジナルメンバーの逢嶋ひなが卒業するという発表もなされた。

決して「順風満帆」とは言えないアクアノートだが、良質な王道アイドルポップスのオリジナル曲と清楚なパフォーマンスを武器に、熱心なファンを獲得。

いわゆる「新世代トリオ」の中では、楽曲に対する取り組みは最も真摯で、オリジナル曲を続々とリリースし、先日は14曲入りのフルアルバム「アクアノオト」をリリースしたばかり。

TDこと多田慎也による新曲「アクアソニック」をタイトルに掲げた3rdワンマンライブは「動員350人」を目標に掲げ、池袋にできたばかりの会場harevutaiでの開催となった。

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できたばかりのharevutaiは、場内が綺麗なことはもちろん、ステージが高く、フロア後方の段差上からだとちょうど目線の高さも合うという好設計。

さらに、スピーカーの音質が抜群にクリアで、しかも、演出上効果的な巨大LEDディスプレイと透過スクリーンを備えるという。

透過スクリーンというのは、ステージと客席の間のスクリーンに映像を映し出しつつ、奥のステージのパフォーマンスを見せるというもので、横浜にあった「VRシアター」と同じようなもの、と言えば伝わるだろうか。

さて、アクアノートのワンマン。

正面のディスプレイにメンバー紹介の動画が流れ、そのあと、おなじみのOvetureへ。

メンバーが純白の新衣装を身につけて登場すると、透過スクリーンが降りてくる。

水の流れを描くようなVRの向こうにメンバー。

大きな水槽の中にいるマーメイドが歌って踊っているライブをしているようだ。

次の「水花火」では、広がっては散って行く大きな花火に包まれて、少女たちが立っている。

夢の中の景色のように。

あるいは、いつか見た遠い記憶のように。

手を伸ばせば届きそうなのに、ふっと手のひらからこぼれるような。

そんな儚さと切なさが加速する。

こんなに奥行きのある演出は初めて見た。


ここでスクリーンが上がり、「いろみず」へ。

メンバーの姿が実体を伴ってくっきりと見えるようになる。

「水たまりもジャンプして会いに行きたいよ」という歌詞の通り、メンバーとの距離がぐっと縮まる。

最高。。。

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自己紹介の後は「ソメイヨシノが咲く頃に」、「挑発Selfish」、「閃光少女」、「これから」というダンスの美しさが引き立つ楽曲群。

新衣装は純白系で、メンバーの清楚さを引き立てると同時に、ターンの美しさを印象付けるデザインになっている。

今年正規メンバーに昇格した高梨有咲と双葉樹里の二人は、前回のワンマンの時は「先輩たちに必死についてく」という印象だったが、今日は「先輩よりも存在感を示す」場面も多い。

メンバーの成長が、グループの成長に繋がっていると実感させられる。

ここからは、8ミリフィルム調の動画と、ライブが交互に連なって行く。

夏の始まりから、盛夏、そして夏の終わり・・・


「ラブ☆サマー」「Don‘t you?」「八月の空」からの「乙女心はアクアマリン」そして、初披露の「あの夏に」。

2019年の冬に差し掛かるこの時期に、夏全開のセトリというのは、一見季節外れのように見えるが、実はそうではない。

来年1月にグループを卒業する逢嶋ひなの<物語>をそこに託しているのだ。

出会いから、別れ、そして想い出へと。

「あの夏に」の歌詞にあったように、確かにあの夏には君がいた。君といた・・・


ここからはまた透過スクリーンを使った演出。

「雨垂れのポルカ」からの「夕立とアンチノミー」。

この2曲は、いわゆる楽曲派アイドルとも互角に勝負できるクオリティ。

楽曲もアグレッシブなら、雨だれとアニメやCGを3次元で構成するようなVJの演出もアグレッシブ。

どちらの曲も最初に聴いた時から洗練度を増していて、「アクアノートはかわいいだけのグループではない」と思わされる。

フロアのノリも、今日はいつにも増して熱いものがある。

動員数の多さもあるだろうし、いわゆるライト層が集まったことによる「化学反応」もあるだろう。

叙情的な「なみだリプライ」の後は、メンバー一人の挨拶。

そして、「目標動員数350人」に対する結果発表。

前回にならって、ノートに書かれた数字を一の位から十の位、そして百の位へと広げていくドキドキの演出だが、結果は「288人」に留まった。

だが、しかし。

だが、しかし、である。

前回のワンマンの動員202人からは着実に動員数は伸びていて、アクアノートでは史上最高を更新している。

そして、何よりもフロアの盛り上がりも史上最高。

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標数には達しなかったけれども、ライブの内容の充実には胸を張っていいと思う。

来年4月には、アクアノートが関東を飛び出して東名阪のツアーを行うことが発表された。

佐山すずかがMCで「アクアノートはまだまだ続いて行きます」と語る。

そう、アクアノートの<物語>はまだまだこれからだ。

ラストスパートは「ドリームノート」、そして「アクアソニック」。

この道を行くのは そう 他の誰かではない
わたし色にきらめいて
(アクアノート「アクアソニック」)

そう。

誰かが行った道ではない。

アクアノートならではの<物語>を紡いで行く姿をこれからも見て行きたい。

アンコールでは、新グッズのTシャツで「乙女心はアクアマリン」と「アクアソニック」を披露して、harevutaiのフロアを熱くしてアクアノートの3rdワンマンは幕を閉じた。



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(開演前に楽屋を訪問した際に撮影した新Tシャツのアクアノート)



終演後は、佐山すずかちゃんのチェキへ。

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新衣装の素晴らしさがお分かりいただけるだろうか・・・

あんなに立派なMCをしていながら「わたし的には反省点たくさんですよ」と語るさやすず、本当に偉いね。


アクアノートがどんな道を行くのか興味を持った人は、東名阪ツアーでぜひ確かめてみてください!

4/11(土)名古屋@伏見ライオンシアター
4/18(土)大阪@ LIVE SQUARE 2nd LINE
4/25(土)東京@ club asia


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(セットリスト)

動画
0 Overture
1 水のかたち
2 水花火
3 いろみず
自己紹介
4 ソメイヨシノが咲く頃に
5 挑発Selfish
6 閃光少女
7 「これから」
動画
8 ラブ☆サマー
9 Don‘t you?
10 八月の空
動画
11 乙女心はアクアマリン
12 あの夏に(初披露)
動画
13 雨垂れのポルカ
14 夕立とアンチノミー
15 なみだリプライ
挨拶
16 ドリームノート
17 アクアソニック
(アンコール)
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en2 アクアソニック