共に旅した軌跡〜ハコイリ♡ムスメ2ndコンサート~癒しとやすらぎとトキメキの世界へ~@虎ノ門ニッショーホール

見て 空っぽだったカバンには
今日まで 共に旅した軌跡が詰まっている
(ハコイリ♡ムスメ「旅をつなげて」)


5周年を迎えたハコイリ♡ムスメが、虎ノ門ニッショーホールでセカンドコンサートを開催した。

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昨年のファーストコンサートに続き、今回もホールでのコンサート。

凝りに凝った衣装やフォーメーションの美しいダンスはもちろんだが、随所に見られる演劇的な演出を特徴とするハコイリ♡ムスメの場合、着席で観覧できるホールコンサートでこそ、その表現を十分に味わえると思う。

いまここにいるハコムス

Overtureは、我妻桃実、吉田万葉、戸羽望実による華麗なパ・ド・トロワ。

冒頭からハコイリ♡ムスメの世界へ。

ステージの最先端には生花が飾られ、本物のお花畑のよう。

奥に垂れ下がった布は奥行きを感じさせ、森の中、あるいは、どこかの楽園を思わせる。

オリジナル曲「レモネード・キッス」から、チェキッ娘の「抱きしめて」、おニャン子クラブの「アンブレラ・エンジェル」、そしてオリジナル曲の「ハコいっぱいのプレゼント」。

去年のファーストコンサートでは、第一部と第二部でカバー曲とオリジナル曲を分けていたのだが、カバー曲とオリジナル曲を巧みに組み合わせることによって、ストーリーを生み出し、世界観を広げていくのがハコムスの良さ。

そんな良さが冒頭から遺憾無く発揮されたセトリ。

「ハコムスらしい切ない曲のグループを」という曲フリに続いては、バラード系のブロックでQlair「泣かないでエンジェル」、Coco「無言のファルセット」、「Be My Diamond!」を3曲連続で。

乙女塾世代、パラGo世代直撃の三連打。

どの曲も決して「沸ける」曲ではない。

が、静かにじわじわと胸に迫ってくる曲。

そう聴かせるためには、相当の表現力が必要になるのだが、唯一のオリジナルメンバーにして現リーダーの我妻桃実、次期リーダーとなる吉田万葉の安定感はもちろん、4期メンバーも「成長」を感じさせるパフォーマンスを見せてくれる。

特にバラード曲での寺島和花の歌唱力に成長を感じずにはいられない。

時をかけるムスメ

「ここからはハコムスの歴史をお見せします」という我妻の曲フリに続いて、オリジナルメンバーが登場。

2014年のAKIBAカルチャーズ劇場での新人公演から歌い続けているCoCoの「君の歌、僕の歌」を歌う。

見てきたはずのダンス、聴いてきたはずのボーカル。

今や「レジェンド」となった、門前亜里、鉄戸美桜、内山珠希、神岡実希が、我妻桃実と共にステージの上で輝く。

一曲で終わるかと思いきや、まさかの「夏色キッス☆」まで披露。

ホールコンなのに、全身で振りコピしたくなるくらいテンションが上がる。

この後のMCで明かされたけれども、当初予定になかったこの曲を「やろうよ、盛り上がるし」といって追加したのは内山珠希だそう。グッジョブ。

オリジナルメンバーの退場と入れ替えに現メンバーと星里奈が登場。

星の圧倒的なソロボーカルで始まった「哀愁のカルナバル」は、会場の空気を一変させた。

あれもハコムス、これもハコムス。

こんなに広い表現の幅を持ったグループはなかなかいない。

卒業生がステージに並んで自己紹介。

「当時の自己紹介」を恥ずかしながらやるメンバーもいれば、裏話を暴露するメンバーもいて、全然「箱入り」じゃないのがいい。

鉄戸の「ハコムスのコンサートなのに、卒業した私たちが2曲もやってすみません」に対して、内山の「いいじゃん。だって元はウチらのハコムスでしょ」という会話も最高。

新旧のメンバーが一堂に会したところで「微笑みと春のワンピース」。

落ちサビの神岡実希のハイトーンが綺麗だった。

そして、ハコムスを代表するオリジナル夏曲の「夏に急かされて」。

まさに内山”ラブピースワールド”珠希の独壇場というべき舞台で、客席から大きなコールも起こったが、それでかえって動揺したのか二番のソロの歌詞を堂々と間違えるという。

決め台詞の「ラブピースワールド」は、新旧ナツオンナの内山珠希&吉田万葉で。

次の「なかよし」では間奏から卒業生が加わり、クライマックスの大縄跳びを。

下手端で大縄を回すはずの門前亜里が振り付けを忘れる姿にも、アイドル当時のふわふわとした感じを思い出させてくれた(沖縄でスタッフサポートとして働く姿は「素敵なお姉さん」だったけれども)。

6年目のハコムスとリーダー交代

トークの間に現メンバーが衣装を着替え、トロピカルな装いへ。

南国風でもあり、どこから無国籍風、エスニック風でもあり。

これが6年目のハコムス。

夏全開のアイドリング!!!「レモンドロップ」、三浦理恵子「水平線でつかまえて」、チェキッ娘「海へ行こう」を連続で披露。


沖縄での合宿を終えたメンバーは気力・体力十分で、表現力にもさらにパワーが加わった感じ。

大きなホールにも負けることのない、大きなパフォーマンスを見せる姿に、うれしくなった。

まだまだ終わってほしくないが、ライブは終盤へ。

おニャン子クラブの「夏休みは終わらない」、オリジナルの「Let‘s Party Time!」で、まさに宴もたけなわ、パーティーはクライマックスへ。

唯一のオリジナルメンバーにして、現リーダーの我妻桃実が今日をもってリーダーの役割を終えると挨拶。

アイドル激動の時代にあって、5年間の長きにわたりハコムスが続いてきたのには、彼女の存在の大きさがあることは誰しもが認めるところ。

「ハコイリ♡ムスメ」という場を守りたいという彼女の想いが、今日のコンサートに繋がっていると言っても言い過ぎではないだろう。

グループ卒業まであと2ヶ月だが、それまでの間、「リーダーでない先輩メンバー」の立場で、ハコイリ♡ムスメを楽しんで欲しいし、そんな姿を後輩に見せていって欲しいと願う。

最後の曲はハコイリ♡ムスメの「旅をつなげて」。

見て 空っぽだったカバンには
今日まで 共に旅した軌跡が詰まっている
かけて 転んで 泣いて 笑ってきた
明日も行くよ  
夢見たあの景色に 辿り着くまで

最後のコーラスのこの部分では、卒業生がステージに加わり、「共に旅した軌跡」を現前に見せてくれる。

鳥肌がたった瞬間だった。


「以上、私たちハコイリ♡ムスメでした。ありがとうございました」という挨拶は、ハコイリ♡ムスメのリーダーの役割である。

我妻桃実のリーダーとしての最後の挨拶を会場いっぱいに響かせ、そして、万雷の拍手喝采を浴びて、メンバーがステージを退場した。

新リーダーである吉田万葉、サブリーダーとなる井上姫月が再びステージに登場し、自分の言葉で抱負を述べる。

二人ともこの3年で凄く成長したなと思わされる。

この二人なら、ハコイリ♡ムスメはさらに成長し、新しい姿を見せてくれると信じられる。

そんな頼もしい挨拶。


新旧のメンバーが勢ぞろいし「オールスター・ハコイリ♡ムスメ」とも言えるコンサートだったが、これから先もこの世界を見ていたいと思わされた。

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ハコムス、5周年おめでとう。

卒業したメンバーが「ウチらのハコムス」と誇りに思い、メンバーもファンも時を超えて集まれるような場であり続けていって欲しい。

これからも、ずっとずっとよろしく。

そんな気持ち。


(セットリスト)

0 Overture
1 レモネード・キッス
自己紹介
2 抱きしめて
3 アンブレラ・エンジェル
4 ハコいっぱいのプレゼント
MC
5 泣かないでエンジェル
6 無言のファルセット
7 Be My Diamond!
MC
8 君の歌、僕の歌*
9 夏色キッス☆*
10 哀愁のカルナバル**
卒業生自己紹介
11 微笑みと春のワンピース***
12 夏に急かされて***
13 なかよし***
MC衣装替え
14 レモンドロップ
15 水平線でつかまえて
16 海へ行こう
MC
17 夏休みは終わらない
18 Let‘s Party Time!
MC挨拶
19 旅をつなげて***
挨拶
吉田・井上挨拶

(*我妻、門前、鉄戸、内山、神岡)
(**現メンバー+星)
(***現メンバー+OG全員)