結成からメンバーを変えずに5周年を迎えるアイドルグループはそれほど多くない。
今回、5周年をオリジナルメンバー一人も欠けることなく迎えたつりビットはそんなグループの筆頭格と言ってもいいだろう。
そんな彼女たちのメモリアルワンマンが川崎CLUB CITTA'で行われた。
ファンから5周年を祝う大きなお花。
開演時間になると、正面のスクリーンに5年間に撮られたつりビットの写真をコラージュした動画が流れる。
当時からのファンも、最近のファンも、5年間の成長を目で終えるようになっている。
そして、開演。
序盤は初期の表題曲の振り返り
水色と白のプリンセス風な新衣装に身を包んだ5人のメンバー。
配信デビュー曲の「スタートダッシュ!」でライブ開始。
5年間の月日を経て、ますますアイドルとしての輝きを増したメンバー達。
冒頭から、花道を通ってセンターステージに来て、会場中のファンを楽しませようとする。
その姿を見て、なぜか涙が流れてくる。
そしてCDデビュー曲の「真夏の天体観測」、セカンドシングルの「バニラな空」。
つりビットの歴史を追体験するようなセトリ。
続く「踊ろよ、フィッシュ」では、アウトロで音源にエラーが発生して音飛びが起きたが、瞬時にメンバー間でアイコンタクトをして、何事もなかったように切り抜ける。
その空気を引きずることなく、次の「釣り銭はいらねぇぜ」ではクールなパフォーマンスに切り替え。
5年間の経験を感じさせる一幕だった。
続いて最新型のつりビットサウンド
自己紹介の後は、シティポップ風の最新型のつりビットサウンド。
「Piece of Cake」では、間奏のパートを長くした今日のライブのスペシャルバージョン。
一人一人のダンスソロのリレーで魅せる感じ。
ちょっと女子流オマージュという雰囲気で最高。
フュージョン風の「妄想フィッシング学園」、ブルーアイドソウル風の「Get ready Get a chance」、山下達郎を思わせるカッティングギターが効いている「Blue Ocean Fishing Cruise」、そして、爽やかなドライブソング風の「渚でラテアート」。
一連のセトリの流れの完成度が高く、まるでFMの番組のようにお洒落な楽曲空間がライブハウスに出現した。
次は釣り・お魚ブロックへ
つりビットと言えば「釣り」、そして「お魚」。
次はそんなテーマの楽曲をメドレーにして集めたブロックへ。
「寿司パラダイス」「ハピハピフィッシングデート」「おさかなソング」、そして「あゆ!あゆ!」コールの楽しい「釣りパーティー」へ。
メンバーからは、サイン入りのボールや寿司サンプルが客席に投げ込まれて、ちょっとしたお祭り騒ぎ。
こういうわちゃわちゃ感もつりビットの魅力。
ラテンの「ギョギョギョムーチョ」から、沸けるアンソン風の「ニガシタサカナハオオキイゾ」。
今日一番会場が熱くなった瞬間かもしれない。
メンバーはみんな気力が充実しているのがうかがえるテンション。
特に、最年少の小西杏優のボーカルの張りとか、会場の隅々まで目線を配るところとか、大会場の一流アイドルの風格だった。
つりビットと言えば夏曲
ライブも終盤に入り、つりビットと言えば、夏曲ということで、夏の歌のブロックへ。
タオル回しが壮観な眺めを生み出す「Color Summer!!」、しっとりとした想いを歌い上げるバラード「カモメペリカンストーリー」。
切なさを滲ませながらもめちゃめちゃ沸ける「レモン海岸」で少しギアを上げてからの「裸足のマーメイド」、そして「Chuしたい」。
この辺のセトリの流れが完璧だった。
以前運営に関わっていたGさんとIさんが、関係者席で仲良くフリコピしているのが見えて、すごく楽しい気持ちになってくる。
「ファンを裏切りたくない」
そして、メンバー一人一人から5周年の挨拶。
「5年間あっという間だった」(安藤咲桜)、「この5人だから一緒にやってこられた」(小西杏優)、「これからも頑張って行きたい」(聞間彩)の後、サブリーダーの竹内夏紀から「つりビットにとって何が最適なのかを考えたり議論したりするけど、ファンの人を裏切ったり、悲しませたりはしたくないというのが5人の気持ち。これから先も裏切ったりはしない。ずっとこの5人で頑張るのでついて来て欲しい」と力強いメッセージ。
リーダーの長谷川瑞が「リーダーなんて向いていない、そのうち変えられると思っていたけれど、ファンの方からそういうリーダーもいいよと言ってもらえて今日までやってこられた。自分なりにこれからも進んでいきたい」と挨拶。
これからも上を目指すという決意を示すような「1010〜とと〜」と「My Victory」。
そして最後は、ファンへの感謝の気持ちを歌った「‘Cause you make me happy」。
いや、むしろファンである僕らの方がHappyをもらっていると思う。
「多幸感」という言葉はあまり使いたくないけれども、メンバー・スタッフ・ファンの気持ちが一つになったのが確かめられるような時間だった。
アンコールでツアー発表
ファン有志が、おなじみの「釣った魚にエサをやれ」のアンコールを発動。
登場したメンバーを、グループのテーマカラーのオレンジのサイリウムで迎える。
CLUB CITTA'がこんなに同じ色に染まる光景を僕は見たことがないかもしれない。
初心を忘れないという気持ちを示すような「はじめのキモチ」から、最後の曲はタオル回しの「爆釣御礼」。
生バンドもなく、VJもなく、企画コーナーもなく、ソロやユニット曲もなし。
もっぱら自分たちの良質な楽曲を武器に、5年間で鍛えたアイドルスキルだけで勝負する今日のつりビット。
2時間20分・26曲のライブはついにフィナーレを迎えた。
広大なCLUB CITTA'を一つにするようなライブで文句なしにつりビットの最高記録を更新したと言える。
夏場には、名古屋・大阪・仙台・新潟・東京の5カ所でのツアーを開催することを発表したつりビット。
アイドル業界に激震が走った2017年・2018年だが、つりビットは心の底から「アイドルっていいな」と思わせてくれる貴重な存在になったと実感させられる良質な5周年ワンマンライブだった。
(セットリスト)
OP(振り返り動画)
1 スタートダッシュ!
2 真夏の天体観測
3 バニラな空
4 踊ろよ、フィッシュ
5 釣り銭はいらねぇぜ
MC自己紹介
6 Piece of Cake
7 妄想フィッシング学園
8 Get ready Get a chance
9 Blue Ocean Fishing Cruise
10 渚でラテアート
MC
11* 寿司パラダイス
12* ハピハピフィッシングデート
13* おさかなソング
14* 釣りパーティー
(*スペシャルメドレー)
15 ギョギョギョムーチョ
16 ニガシタサカナハオオキイゾ
MC
17 A Color Summer!!
18 カモメペリカンストーリー
19 レモン海岸
20 裸足のマーメイド
21 Chuしたい
MC5周年挨拶
22 1010〜とと〜
23 My Victory
MC
24 ‘Cause you make me happy(アンコール)
en1 はじめのキモチ
MC
en2 爆釣御礼
MC 5周年ツアー告知、記念撮影