映画「オリエント急行殺人事件」(2017年、アメリカ)

「フーダニット」(誰が殺したのか)の古典中の古典とも言える作品の映画化。

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名探偵エスキュール・ポアロ作品であること、クリスティらしい「フェアだが意外な真相」という特徴ゆえに、この作品を知らない人は多くないだろうし、これまでの映画化・映像化されているから、このタイミングでなぜリメイクされたのかはよくわからない。

ただ、世界の上流階級の人たちが同じ列車に集まり、社交を重ねながら国境を越えて目的地に向かう、というのは、アメリカではなかなかないスタイルであり、「お城」「王室」と同じように、何らかの憧れやコンプレックスがあるのかもしれない。

今回も、豪華キャスト、豪華セット、豪華ロケで、旅情を感じさせるエキゾチックな風景も楽しめる。

ただ、個人的な印象で言えば、ポワロ役のケネス・ブラナー(監督・主演)は、映画「ハリー・ポッター」での無能な教師役の印象が強く、今回も「この探偵さん大丈夫かいな」と思わせたし、悪徳ギャングのエドワード・ラチェットを演じたジョニー・デップは、いつもの飄々とした演技で、悪役としてはちょっと憎らしさが足りないかなと思わされた。

僕にとっては、わざわざ劇場に足を運ぶような作品とは思えなかったけれども、この作品に触れたことのない人には新鮮な感動を得られるのかもしれないね。

しかし、キャスティングの大御所感からすると、これを喜べるのはある程度の年齢層以上ということになり、となると「オリエント急行殺人事件」にもどこかで触れているはずなので、やっぱり、その辺、どこにターゲットを絞っているのかはよくわからない、という感じ。

あえて点数をつけるならば50点くらいかな。辛口で申し訳ないけど。