20年以上前に、小沢健二は歌った。
「ぼくらの住むこの世界には 旅に出る理由があり」と。
あの頃は、旅に出る理由なんて自明だった。
旅に出ないなんて考えられなかった。
あれから20数年が経った。
世界はいつでもどこでもすぐにつながるようになった。
そして、僕何度も世界を旅した。
それは仕事だったり、遊びだったり。
それでも、まだ僕が旅に出る理由はあるのだろうか。
あるとすれば、どんな理由だろう。
あの頃、「旅をするのは当然」と思っていた人たちは、今でも旅をしているのだろうか?
たぶん、答えはそれぞれの中にしかない。
でも、もし、僕が今でも旅に出る理由があるとすれば・・・
たぶん、こういう思索することそのものに価値を見出してるのだろう。
会ったことのない人と会って、見たことのない光景を見ると、普段考えたことのないことを考える。
この僕が。
そう、そんな自分自身を再発見するために、僕は旅に出るのかもしれない。
また、いつか行けますように。
そう祈りながら。