村上春樹の書き下ろし新刊『騎士団長殺し』(第一部、第二部)を読んだ。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2017/02/24
- メディア: 単行本
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離婚協議中の主人公、郊外の<別宅>、謎の依頼主、彼岸と此岸を結ぶ霊的存在、穴など「ねじまき鳥クロニクル」を彷彿とさせる春樹ワールド全開。
ハルキ的キャラクターが蠢く中、"13歳の少女"が物語の鍵を握る存在に。
これは時流を捉えた絶妙な設定かと思う。
一言で言えば、彼岸と此岸の間で繰り広げられる「行きて帰りし物語」。
しかも完結していない。
第1部と第2部の2巻が同時に出たのであって、「上巻・下巻」でも「前編・後編」でもない。
最終ページには「第2部終わり」とあるので、これはまだ完結していないということだろう。まあ『1Q84』の第3部みたいな微妙なものになる可能性もあるだけど。
ということで、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84」のリライトのような作品。
面白いかと言えばまあ先を読みたくなる面白さはあるんだけど、どこまでもいつもの村上春樹ワールドであるし、新境地が開かれているわけでもないんだよね。
そこを「マンネリ」ととるか「安心感」ととるか微妙だな。