『X-MEN アポカリプス』

最近流行りの「エポソードゼロモノ」というか「前日譚モノ」。


古代エジプトにミュータントが存在し、その能力で民衆を支配しながら、何度も肉体を乗り換えてきたという設定。

その「敵」が現代に復活し、人類を恐怖のどん底におとしいれるところに、プロフェッサー率いるミュータント集団が立ち向かうというお話。

ある意味で、着地点の見えている作品であり、その中で「そういう背景があったのか」「ああ、だからこの人はこんな外見になったのか」などを膝を打ったりして楽しむ作品と言える。

個人的には今回のボスキャラが、ハリーポッターシリーズのボスキャラとかなり被るところがあった。時代を超えて復活するところとか、恐怖で人を支配するところとか、主人公と精神が繋がってしまうところとか、スキンヘッドの外見とか。

最後のバトルがどうなるかと思って見ていたら、弱点までもがハリーポッターシリーズのボスキャラと同じで、要は「孤独」ということが致命傷になっていて、「愛」「仲間」「家族」に恵まれた主人公が強みを発揮するという


まあ、こういうのも欧米的価値規範に則ったある種のテンプレなのかもしれないね。

ただ、最後にボスキャラが燃えてしまって「復活」の道が閉ざされるというのも、まあ古代エジプトの宗教に忠実といえば忠実なんだけど、宗教の対立が激化している21世紀にこういう作品を送り出してしまうっていうのは、ある意味で、トランプ以上にデリカシーがないかもしれない、と感じてしまった。

まあ、小さな疵かもしれないけどね。でも、サイードが見たら同じような「西洋からみたオリエンタリズムへの偏見」を指摘するんじゃないかな。