「君を愛したひとりの僕へ」/「僕が愛したすべての君へ」(乙野四方字)

NegiccoのかえぽことKaedeさんが読んでいた乙野四方字の「君を愛したひとりの僕へ」と「僕が愛したすべての君へ」を読んだ。

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2冊で対を成すような作品。

「君を愛したひとりの僕へ」

並行世界モノ。

順列・組み合わせ的に「可能性」の数だけ存在する並行世界だが、実質は形を変えたループ系のように読める。

数多あるシナリオの中から、愛する人を救うために自己を犠牲にする覚悟で「トゥルーエンド」を求める。

まどマギ」や「シュタインズゲート」に通じる世界観。

主人公の想いが世界線を飛び越えるようなエンディング。

「僕が愛したすべての君へ」

それぞれの並行世界で複数の女性と出会い、それぞれ違う結ばれ方をする主人公。

並行世界を横断するとなんだか不貞を働いているようであるがさにあらず。

それぞれの世界に幸せがあり不幸がある。

そこで…(ネタバレ回避)

「変形ループもの」に還元されない「並行世界もの」の醍醐味を味わえる。

「君を愛したひとりの僕へ」と対になる作品だが、読む順番はこちらの方が後がいいかもしれない。


ということで、どうせ読むなら、「かえぽと自分が結ばれる並行世界もどこかにあるはず」とキモい妄想をしつつ味わうべし!