こんな世界が君を待ってたなんて―Negicco 13th Anniversary『Road of Negiiiiii ~TADAIMA~ 2016 Summer at NHKホール』

こんな世界が君を待ってたなんて
素敵だと思わない?
そんなこととかあんなことだって全部
味わい尽くすのよ Girls
Negicco「RELISH」)

「TADAIMA」というサブタイトルがつけられたNHKホールでのNegiccoの13周年ワンマン。

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レーベルメイトであるアイドスネッサンスの1stツアー初日と同じ日の開催だが、十分に回せる時間だった。
僕は「Negicco × 江口寿史 Tシャツ」を着てアイドルネッサンスのライブを見てその足で参加。

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直前、アイドルネッサンス石野理子ちゃんと野本ゆめかちゃんからうらやましがられたよ。

Negiccoの原点

Negiccoは今の3人のメンバー以外に既に卒業したMikuを含めて4人でデビュー。

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最初にNHKホールに立ったのは「恋するねぎっ娘」を「ポップジャム」で歌ったとき。

正面のスクリーンには、MJに出演したときの「ねぇバーディア」「光のシュプール」の動画が流れ、続いてそのポップジャムの「恋するねぎっ娘」の動画とシンクロして当時の衣装をオマージュしたような衣装でNegiccoの3人が登場。

これがNegiccoの原点。

ここからT-Pallete加入前の曲「ねぎねぎRock〜私をお家に連れてって〜」「ネギさま!Bravo☆」「トキメキ★マイドリーム」「Negiccoから君へ」を連続で披露。

大人カワイイ2016年のNegicco

メンバーがいったん舞台袖に退場すると、スクリーンにはアボット奥谷が描いたNegicco物語の影絵が流れる。朗読はconnie。13年間の道のりを描いたもの。

動画が終わると、ステージの上にはバンドセットが組まれ、ネギバンドの演奏によるOPSE(ユメトコスメ)が流れる。

レトロモダンな新衣装に着替えたメンバーが登場すると、バンドをバックに「RELISH」を歌う。

こんな世界が君を待ってたなんて
素敵だと思わない?
そんなこととかあんなことだって全部
味わい尽くすのよ Girls
Negicco「RELISH」)

3階までネギライトの点灯したNHKホール。

そう、13周年のNegiccoにはこんな世界が待っていた。

「マジックみたいなミュージック」から、自己紹介・ネギバンドのメンバー紹介を挟んで、アダルトな雰囲気を醸しながら、「矛盾、はじめました。」「土曜の夜は」「江南宵唄」を連続で披露。これが「ティー・フォー・スリー」の大人カワイイ路線。

個人的にはKaedeのボーカルに「艶」を感じた。たぶん初めて。

アコースティックコーナーからライブ後半へ

ここでガラッと雰囲気を変えて、グッズ紹介コーナー。ネギバンドのメンバーもいじりながらNao☆がコミカルかつ自由奔放にツアーグッズを紹介していく。

それが終わると、「起立、気を付け、礼、着席」の合図で、観客を座らせてのアコースティックコーナー。

「FallingStars」「おやすみ」といったいまや定番となったアコースティックレパートリーに加えて、ニューアルバムから「Good Night ねぎスープ」をしっとりと歌い上げる。

世の中の「アイドルソング」の領域はだいぶ広がってきたけれども、Negiccoのこのアダルト・オリエンテッドな雰囲気は他のユニットではなかなか出せない味。

曲の前フリで観客に「1!2!サンシャ―イン!」を練習させてからの「サンシャイン日本海」では、ステージ上のスクリーンに日本海の動画が映し出された。そして「虹」「カナールの窓辺」とニューアルバムからの曲を次々に披露していく。

終盤は「SNSをぶっとばせ」「トリプル!WONDERLAND」「さよならMusic」「ときめきのヘッドライナー」とアゲ曲を畳みかけるように連発し、いよいよ「圧倒的なスタイル」へ。

1階から3階まで3000人が集まったNHKホールの客席が、ラインダンスで一つになった。

スクリーンに、再度MJ出演時の「光のシュプール」動画が流れて、最後の曲はその「光のシュプール」。

Negicco13周年の物語がクライマックスを迎えて、メンバーは退場した。

アンコールでのNao☆のMC

「アンコール!ネギ!アンコール!ネギ!」の合唱に迎えられ、Tシャツに着替えたNegiccoメンバーが登場。

リーダーのNao☆から「お話ししたいことがあります」とのシリアスな前置きに続いて、「去年、来年は武道館を目指すと言ったが、厳しいことが分かった。武道館は勢いで行くところではないと思った」とのMC。

これを聞いたファンから温かい拍手が起きる。良質な音楽で温かい雰囲気を醸している今のNegiccoの雰囲気を大事にしながら、長く活動を続けていくというメンバーの意志を感じた瞬間だった。

Negiccoのそういう方針については、「ティー・フォー・スリー」が出た5月の時点で予見されていたこと。

sharp.hatenablog.com

今さら驚くような内容ではなかったが、これだけの観客を前にして言うのは勇気がいることだっただろうと思う。

スポンサーのサトウ食品の新CM上映(2回)に続いて、アンコールに応える形で「自由に」「恋のシャナナナ」「ねぇバーディア」が歌われる。

「ねぇバーディア」では、間奏のセリフパートが改変され、初期メンバーのMikuちゃんに向けた私信へ。

ねぇMikuちゃん、覚えてる?あのポップジャムでの出来事

この言葉をMikuちゃんはどこかで聞いていたのかな。

最後の最後は、ピアノの演奏だけをバックに「私へ」を歌い上げる。

届いてますか そこにいますか
手紙を書く 未来の私へ
すてきな人になっていると信じてもいいよね
Negicco「私へ」)

過去のNegiccoから未来のNegiccoへ。
13周年のライブは、一周して原点に戻ったようなエンディングを迎えた。
「ただいま」「おかえり」と。

エンドロールからのサプライズ告知

メンバーが挨拶して退場した後、スクリーンには映画のエンドロールのようにスタッフの名前が流れた。
ライブの余韻を楽しんでいると、サプライズ告知が画面に映し出される。

2017年新春
2マン
Negicco × 私立恵比寿中学

アイドル市場が縮小する中で、良質なグループ同士が生き残りのために2マンを行う動きは昨年くらいから増えているが、今後ますます加速するだろうと思っている。

既にスタダはフェス参加に加えて2マンも増やすと予想され、その中でのNegiccoとのワンマンに違和感はない。

ネギヲタには「スタダ流れ」の人も少なくないが、足元でどのくらい兼ヲタがいるかは不明。ただエビ中はいい曲揃いで、特に最新アルバム「穴空」は名盤だから、対決は楽しみでしかない。
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一方のNegiccoに関して言えば、ミュージシャンズミュージシャンを志向するような運営の最近の志向と、アイドルとしてファンを増やしたいメンバーの意識とのギャップは一旦埋まった格好。

次の展開がバンドではなくアイドル2マンなのも、動員増への打ち手として理解できる。その上であえて言うならば、「ファンの裾野を拡大する」という目的に沿って、主体的かつ戦略的に相手を選ぶ目線を備えていくことを願う。

(セットリスト)

(MJ「ねぇバーディア」「光のシュプール」「恋するねぎっ娘」動画)
1 恋するねぎっ娘
2 ねぎねぎRock〜私をお家に連れてって〜
3 ネギさま!Bravo☆
4 トキメキ★マイドリーム
5 Negiccoから君へ
(Negicco物語動画、ネギバンド登場)
長谷さんOPSE
6 RELISH
7 マジックみたいなミュージック
MC自己紹介、ネギバンド紹介
8 矛盾、はじめました。
9 土曜の夜は
10 江南宵唄
MCグッズ紹介
(アコースティックコーナー、着席)
11 FallingStars
12 おやすみ
13 Good Night ねぎスープ
MC
14 サンシャイン日本海
15 虹
16 カナールの窓辺
MC
17 SNSをぶっとばせ
18 トリプル!WONDERLAND
19 さよならMusic
20 ときめきのヘッドライナー
21 圧倒的なスタイル
(MJ「光のシュプール」動画)
22 光のシュプール
(アンコール)
en1 自由に
en2 恋のシャナナナ
en3 ねぇバーディア
en4 私へ(ピアノ伴奏)