今日だけが明日に続いてる
こんなふうに きみとは終われない
(大江千里「Rain」)
今日はアイドルネッサンスの二周年。
去年の一周年の会場AKIBAカルチャーズ劇場のキャパは約300。そして今日のO-EASTのキャパは1300。1階の後方はプレス、2階は関係者席になっていたが、それを除いてざっと1000近くは入っているのではという感じ。そこだけ取ってもこの1年間で動員数は3倍へ。
(参考)まぶしい時―アイドルネッサンス「アキバで一周年を感謝するネッサンス!!」 - SHARPのアンシャープ日記
お花もNHK、タワレコ嶺脇社長、SHOWROOMなどからたくさん。
オープニングアクト:アイドルネッサンス候補生
最初はこの1月にお披露目となって4月に千秋楽公演を行ったアイドルネッサンス候補生によるオープニングアクト。
9人が横一線に展開する候補生のフォーメーションは、アイドルネッサンス本体とは違った勢いを会場にもたらす。
「愛のしるし」で一瞬にして会場に一体感を作ると、メンバーが二手に分かれてノンストップでパフォーマンスを続ける。
まずは、れな・すずか・ゆめか・はるか・せらによる「春が来て僕たちはまた少し大人になる」(さんみゅ〜)。
続いて、まゆ・もえ・ゆりあ・ともかの4人による「Neo Disco」(GALETTe*)。
それぞれ、ボーカル曲、ダンス曲というベクトルのカバーだが、候補生の持ち味、ここ数カ月での表現力の向上、そしてメンバーのチームワークがよく分かるパフォーマンス。
最後に9人全員が出て来て「手を打ち鳴らせ!!」を。
本家に見劣りすることのない一体感とパワー。これが候補生…だと…?
風に舞うのか 散り行くさだめか
意地と誇りだけは見失うなよ!!
君のこころは 君を信じている
君の未来に 手を打ち鳴らせ!!
(THEイナズマ戦隊「手を打ち鳴らせ!!」)
9人の候補生としてのステージは今日が最後。
この先、花を咲かせるのか、それとも歌詞にあるように、風に舞うのか、散りゆくのかまだ分からないけど、意地と誇りを全面的に見せてくれた候補生のメンバーに、いい未来が訪れることを僕も信じたい、そう思いながら僕も全力で手を打ち鳴らした。凄まじい気迫のこもったステージだった。
ノンストップの序盤
そしていよいよアイドルネッサンス本体。
ステージ左右のスクリーンにアイドルネッサンスメンバー一人ずつを紹介する動画が映し出される。そして始まったノンストップライブ。
いきなり会場を一体にする「ミラクルをキミとおこしたいんです」、「お祭りマンボ」。
続く「YOU」のイントロで「アイドルネッサンスです、みなさん今日は楽しみましょう!」とシンプルな自己紹介を挟むと、かわいい系の曲を中心にノンストップ。
「テレフォンNo.1」、「う、ふ、ふ、ふ、」、「星のラブレター」、「Good day Sunshine」、「7 COLORS-Over The Rainbow-」、「金曜日のおはよう」、「17才」。
特に「金曜日のおはよう」では、南端まいな推しのファンがサイリウムを口にくわえて推しジャンするくらいのアイドルライブ的な盛り上がり。
セトリも、アイドルネッサンスのアイドルらしい面が浮き彫りになるような内容。そして一周年ライブを回顧するようなノンストップパフォーマンス。
このまま二周年もノンストップで行くのかと思いきや、ここで舞台が暗転。スクリーンに各メンバーのスライドショーが流れる中、ステージ上に楽器が運び込まれる。
アコースティックで聴かせた中盤
再登場したメンバーは「ベステンダンク」「スパイダー」「Happy Endで始めよう」をアコースティックで披露。
今日の編成は、ピアノ・炭竃智弘、カホン・DEATH-O、ギター・ソノキリヒト、ケンゴというツインギターの4人編成。アレンジの厚みが増し、メンバーのボーカルと引き立て合うような迫力があった。
締めくくりは、2周年ライブを前にファンから募集していた「リクエスト」から採用された大江千里の「Rain」を初披露。
この曲は、複数のアーティストがカバーするくらい素晴らしい曲なのだけれども、16才の彼女達にはまだ早すぎるのではという杞憂があった。が、そんな僕の杞憂を吹き飛ばすようなしっとりとした表現力で聴かせる。
ああ。
一年前の彼女達との一番の違いはここだと感慨深く聴き入った。
「アイドルは成長を楽しむもの」だと思っているので、「一年前に見た」なんていう経験にはほとんど意味がない。
アイドルネッサンスは、いまや生バンドをバックに緩急自在の表現ができるユニットになっている。その表現力は、僕はいくつか見て来たバンド演奏のアイドルの中でも突出したレベルにまで上り詰めて来た。これ、フルバンドだったらどうなるんだろうと思うくらいに。
MCで、「私たち平均年齢が、15才から16才になったんですよ」と成長をアピールし、その成長に見合った表現を聴かせたでしょうか?という「いい話」系でまとめるかと思わせたが、「でも、平均年齢と言えば、みなさんの平均年齢は…」と石野理子が思わぬ方へ話を転ばせる。りこちゃんこういうツッコミ好きだよね(苦笑)
ロック色を強めた終盤
アコースティックライブの演者たちが拍手で送られ、楽器が片づけられている間、「今年はみなさんのいるところに会いに行きたい」というMCで全国ツアーへの意欲を覗かせるメンバー。
そして、ASIAN KUNG-FU GENERATION「君の街まで」を初披露。このメッセージ性の強い選曲もアイドルネッサンスのカラー。
ここからの終盤はフルスロットルで。
いまやキラーチューンとなった「恋する感覚」、「太陽と心臓」、「ドカン行進曲(己編)」、「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」、「シルエット」。
メンバーソロ曲こそないけれども、比嘉奈菜子曲(「太陽と心臓」)、宮本茉凜曲(「ドカン行進曲(己編)」、百岡古宵曲(「あの娘…)」、新井乃亜曲(「シルエット」)が、バランス良く配置されている。
文字通り「6人のアイドルネッサンスの集大成」。
20曲を歌い終えたメンバーが一人ずつ挨拶。
宮本茉凜:これから先変わっていくこともあるかもしれないけれど、変わらずアイドルネッサンスを応援してほしい。
百岡古宵:みなさんに言いたい、「べステンダンク!」(どうもありがとう)
石野理子:アイドルネッサンスには、アイドルの面と音楽の面がある。アイドルフェスだけでなく、ロックフェスにも出て、「音楽」の面をもっと多くの人に見てもらいたい。
南端まいな:今日来てくれたみなさんも一緒に、何倍もの人と一緒に3周年のライブを迎えたい。
比嘉奈菜子:みなさんと沖縄に行きたい。あと、「O-EASTはすごくいいすと!」
新井乃亜:振り返ると、初めての新人公演のときのお客さんは62人だったのがここまで増えた。3周年、4周年のときに「2周年のときはああだったね」と振り返りたい。うれしいときも、楽しいときも、大変なときも、みなさんと一緒に過ごしたいので、これからも応援よろしくお願いします。あと、みなさんに言いたい、「べステンダンク!」
乃亜ちゃんの最後のは古宵ちゃんの挨拶を踏まえて笑いを取りに行ったものだけど、思いがけず古宵ちゃんが涙ぐんだりとか、茉凜ちゃんが「ちょっとリーダー、最年長が最年少をいじめないでもらえますか」と突っ込んだり…
ともすると、真面目さが前面に出がちなアイドルネッサンスだけど、こういうワチャワチャしたMCも悪くないと思いながら眺めていた。どこまでが台本でどこからがアドリブだったのかわからないけど…
アンコールで登場すると「Yeah! Yeah! Yeah!」を歌う。
MCでは、「今年、三度目の夏を迎えます。もっとたくさんの方にアイドルネッサンスを知って頂きたいと思って、今年の目標を決めました」。
その目標とは「アイドルネッサンスを大きくするネッサンス!!」。
最後は、その三度目の夏に向けて「夏の決心」を。まさに集大成のようなライブだった。
「大きくするネッサンス!!」の意味とは
AKIBAカルチャーズでの1周年と比べると、メンバーは一人減っているのにもかからわず、スケールは大きく、表現の幅はぐっと広くなった。
ライブの構成も、一本調子ではなく、ノンストップの序盤、アコースティックでじっくりと聴かせる中盤、ロック色を強めて盛り上げた終盤と、メリハリが効いていて、非の打ち所がない完成度。
理子ちゃんが夢として語ったけど、本当にロックフェスでもアイドルネッサンスのステージを見る日が来そうで、どこに出ても充実したライブを行える力量を身に付けている。
「大きくするネッサンス!!」には、こういう質的なパフォーマンスの向上、活躍する舞台の広がり、そしてもちろん動員数の増加という意味が込められているのだろう。
だが、きっとそれだけではないはずだ。
今日のO-EASTでは、アイドルネッサンス候補生は9人。本体は6人。その両方を見て、センターがいて左右へと大きく展開する9人のフォーメーションは迫力があり、美しいと改めて思った。
ステージが広いところなら「9人位がちょうどいい」のかもしれない。そして、メンバーの数も偶数、奇数どっちもフォーメーションの作り方でメリット・デメリットあるんだろうけれども、やっぱりセンターがいた方が美しい。まあ、これは僕が「アイドルユニットは5人がベスト」だと思ってるから、偏ってるのかもだけど。
アイドルネッサンスの固有の<物語>を大事にしたいという思いは僕にもあるけれど、もしメンバーが減っていくだけなら寂しさしかない。
「アイドルネッサンス部」は、昨年の橋本佳奈の卒業後に候補生の募集を始めたわけだが、それは、結局のところ、アイドルネッサンスを「大きくする」ことに貢献することになるのだろう。
もちろん、それが「メンバー追加」になるのか、「新ユニット発足」になるのか、「ソロアイドル」になるのか、それはまだ分からない。
だが、今日の9人の候補生の素晴らしいステージを目の当たりにして、彼女たちならどこでも輝けるという確信を得られたし、その辺の差配については、アイドルネッサンス部の運営に全幅の信頼を置けると信じている。
きっと「大きくするネッサンス!!」は、成功するだろう。
終演後、「6/11(土)、アイドルネッサンス部「新体制お披露目するネッサンス!!」@ニッショーホール)」の案内がなされた。待ちに待ったアイドルネッサンスのホールコンサート。
その日、そこで僕らは「未来」を見るだろう。アイドルネッサンス部の「明日」を見るだろう。
そう、「今日だけが明日に続いてる」。
2周年ワンマンの今日、アイドルネッサンスの明日を垣間見たような気がした。
(おまけ)物販・特典会など
物販では、2周年記念フォトブックを購入。
6人のメンバーごとに、生写真セットのカットから各1ページ10カットを時系列に並べ構成。最後に6人全員での見開き。
「6人のアイドルネッサンス」の「集大成感」があった。
そして、終演後は特典会。
個人的にはこれだけ力の入ったライブの後は、感想を一言伝えられれば十分だと思っている。ということで、候補生と本体メンバー全員に今日の感想を伝えた。
しかし、今日は「感謝するネッサンス!!」というサブタイトルで、運営の「感謝する」という心意気からか2ショット撮影会も開催された。なかなかレアな機会。
渾身のライブ後で、かつ長時間のお見送り会後で、きっとお疲れだろうな…とも思いつつ、久しぶりにリーダーの乃亜ちゃんと2ショットを撮った。
去年の乃亜ちゃんの生誕Tシャツで、「日本征服するネッサンス。」と書かれているもの。
この調子でアイドルネッサンスが「大きく」なって、いつか本当に日本を征服する日を僕も期待しているよ。
(セットリスト)
(OA:候補生)
oa1 愛のしるし
oa2 春が来て僕たちはまた少し大人になる
oa3 Neo Disco
oa4 手を打ち鳴らせ‼︎1 ミラクルをキミとおこしたいんです
2 お祭りマンボ
3 YOU
4 テレフォンNo.1
5 う、ふ、ふ、ふ、
6 星のラブレター
7 Good day Sunshine
8 7 COLORS-Over The Rainbow-
9 金曜日のおはよう
10 17才
11 ベステンダンク*
12 スパイダー*
13 Happy Endで始めよう*
14 Rain* (リクエスト曲)
(*アコースティック)
15 君の街まで(アジカン、初披露)
16 恋する感覚
17 太陽と心臓
18 ドカン行進曲(己編)
19 あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
20 シルエット
(アンコール)
en1 Yeah! Yeah! Yeah!
en2 夏の決心