何度目の逆境か―アイドルネッサンス 1stアルバム「アワー・ソングス」リリイベ@タワレコ錦糸町

ハードなリリイベ

2014年12月13日、アイドルネッサンスは「T-Palette Records感謝祭2014」にサプライズ出演し、T-Paletteレーベルへの参加を発表した。

翌14日、スマイルネッサンスvol.2が開催され、終演後、運営とファンとの間でファンミーティングが催された。ミーティングでは、照井チーフからT-Palette加入に関する説明がなされ、続いてファンからの質問が受け付けられた。

活発な質疑応答がなされ、照井チーフは丁寧にファンの質問に答えていた。その質疑の中で、僕自身の関心と重なっていたのは、次のもの。

Q.CDショップでのリリイベが多くなると、ライブの機会が減るのではないか。
A.CDとライブは音楽を届ける車の両輪みたいなもの。もちろんライブもやっていく。
スマイルネッサンスvol.2~T-Palette加入に関するファンミーティング - SHARPのアンシャープ日記

あれから一年余り。アイドルネッサンスがライブを大切にしていることには変わりはないが、リリイベに関してはやはりハードなスケジュールになっている。

3月22日にリリースしたファーストアルバム「アワー・ソングス」のリリイベスケジュールは以下の通り。

2016年3月19日(土)1部11:30~/2部13:30~@ららぽーと柏の葉 2Fセンタープラザ
2016年3月20日(日)12:00~@タワーレコード広島店
2016年3月21日(祝・月)17:00~@タワーレコード梅田NU茶屋町
2016年3月22日(火)19:00~@東京ドームシティ ラクーアガーデンステージ
2016年3月24日(木)19:00~@タワーレコード新宿店7Fイベントスペース
2016年3月26日(土)1部12:00~/2部15:00~/3部17:30~@イオンモール幕張新都心 グランモール1F 屋外グランドスクエア
2016年3月27日(日)1部12:00~/2部15:00~/3部18:00~@タワーレコード錦糸町店

千葉、広島、大阪、そして東京。これ以外にもライブが各地で入っているのだから、リリイベとはある意味でハードなツアーのようなものだ。もちろん、これは、アイドルネッサンスに限ったことではない。

メインボーカル不調という逆境

リリイベ最終日となった今日、アイドルネッサンス運営は、石野理子が喉が不調のため、今日は歌唱を行わないと発表した。

ハードなスケジュールが影響したのかどうかは分からないが、ともかく、今後も重要なスケジュールが目白推しになっている中、これは「英断」である。

だが、石野理子は、アイドルネッサンスのメインボーカル。彼女の声がないということで、パフォーマンスの質が低下することは大いに懸念された。

この「逆境」で真っ先に思い出されたのは、2015年7月20日のアキバで想い出トラベルネッサンスvol.2である。

7人時代のアイドルネッサンスで、急遽5人となって、開演時間を30分遅らせたあの定期公演。不安な気持ちと応援したい情熱の両方を抱えたファンを「星のラブレター」で温かくもてなしてくれたあの定期公演。

sharp.hatenablog.com

今日は果たしてどんな公演になるのだろうかと心配しながら、タワレコ錦糸町に向かった。

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15時の回(第二部)

第一部には間に合わなかったので、第二部から参加。新井乃亜ちゃん流に言えば「二部から参戦」。

石野理子も声は出せないものの、笑顔で元気そうにしている。その姿を見て一安心。

MCの自己紹介に続いて、宮本茉凜から「アルバムのリリイベなんですが、アルバム以外の曲も披露します」と予告。

そして、一曲目は「星のラブレター」。

もうこれが最初に来た時点で、僕の中では、「2015年7月20日のアキバで想い出トラベルネッサンスvol.2」の記憶と完全にシンクロしていた。

一曲目に「星のラブレター」を持ってきたことは、「メンバー全員で頑張る」という決意表明だと受け止めた。

続いて、アルバムリード曲の「べステンダンク」。理子ちゃんのボーカルパートは他のメンバーがスムーズにカバー。石野ソロやハモリパートなどやはり「いつもと違う」のだけれど、決して意気消沈するようなことはなく、むしろいつも以上に気迫が感じられる。南端まいなのボーカルパートが光っていた。

そこから、比嘉奈菜子の牽引する「太陽と心臓」、宮本茉凜の存在感が光る「ドカン行進曲(己編)」、そして、アルバムでの新曲「Yeah! Yeah! Yeah!」。

メンバーの熱さにファンも応えるようにコールやクラップを送り、会場の盛り上がりはいつも以上のようだった。

(セットリスト)

1 星のラブレター
2 ベステンダンク
3 太陽と心臓
4 ドカン行進曲(己編)
5 Yeah! Yeah! Yeah!

特典会でも声の出せない石野理子は、広島出身をアピールする真っ赤なカープのTシャツを着用。カープ女子石野理子バージョン。話はできないものの、ニコニコしたりこぽんに声をかけることができた。

18時の回(第三部、最終回)

そして、いよいよリリイベ最終回。

タワレコ錦糸町は後ろの方まで一杯。始まる前から熱気に満ちている。

メンバーが登場すると短い自己紹介に続いて「5曲連続で行きますので、みなさんも一緒に盛り上がってくれますか?!」と煽り。

アルバムリード曲の「べステンダンク」から、あらちゃん曲と言ってもいい「シャングリラ」。個人的には、この曲はアルバムに入れて欲しかったなあ。次のアルバムがあればぜひお願いしたい。

そしてここからは、まるでタワレコ錦糸町がライブハウスになったような展開。

「ミラクルをキミとおこしたいんです」のコール、「恋する感覚」のクラップ、そして、「ガリレオのショーケース」での咆哮…百岡古宵の煽りも、いつも以上に力が入っているように見える。気迫にあふれ、それでいながら、メンバーとファンが一体となって作り上げる幸せなひととき。

りこぽんのボーカルのないアイドルネッサンスなんて、少し前だったら考えられなかったけれども、こんなに遜色ないライブができるなんて…と感慨深い。

もちろん、りこちゃんは、声を出していないだけで、ダンスのフォーメーションは変わらない。そして、顔の表情は、いつも以上にメッセージを伝えようとしていたように見えた。


(セットリスト)

1 ベステンダンク
2 シャングリラ
3 ミラクルをキミとおこしたいんです
4 恋する感覚
5 ガリレオのショーケース

逆境のときほど力を発揮するアイドルネッサンス

終演後に宮本茉凜のMCで、アルバムとイベントの告知。そして、来週以降も、リリイベを続けると。

リーダーの新井乃亜のが付け加える。

「アイドルネッサンスの春はまだ終わりません、桜も五分咲きです!」

これを聞いた観客は拍手喝采。

アルバムリリイベの最終日ではあったが、アルバム収録以外の曲も積極的に投入し、りこぽん以外のメンバーのフィーチャーされた曲でライブを盛り上げた。

「チーム・アイドルネッサンスは、こういう逆境の時ほど底力を発揮する」―そう改めて思わされた。去年の7月20日と同じように。

宮本茉凜は、「リリイベはまだ続く」と言ったけれども、過密スケジュールが一山超えたということは言えるかもしれない。

次は、5月4日の渋谷TSUTAYA O-EASTでの2周年ワンマンが節目となるイベントになるだろう。そこでは、現在の候補生の去就も明らかにされる公算が高い。新たな展開が期待される。

そして、それが終れば、TIF2016をはじめとする夏のフェスはもうすぐそこまで来ている。

これからも、アイドルネッサンスは逆境に直面することがあるだろう。だが、何度そういう試練が訪れようとも、いつかのように、そして今日のように、メンバー・運営が一丸となった「チーム・アイドルネッサンス」で逆境を乗り越えていけるだろう。ファンとしてもそれを支えたい。そう思った。