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例えそれを知っていても叫ばずにいられない―アイドルネッサンス セカンドワンマン「エビスですこぶるネッサンス!!」@恵比寿リキッドルーム

この声は小さすぎて 君の元までは届かない
例えそれを知っていても 叫ばずにいられない
高野寛「べステンダンク」)

アイドルネッサンスのセカンドワンマンライブが、恵比寿リキッドルームで行われた。

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昨年10月4日に恵比寿ザ・ガーデンルームで行われたファーストワンマンは、6人体制になって間もないタイミングであったことや、ホームグラウンドとも言えるAKIBAカルチャーズを離れて初めてのハコであったことなどもあり、メンバー自身も「悔いが残るもの」とか「リベンジしたい」などと発言していた。

果たしてリベンジは成ったのか―

表現の広がりを見せた前半

ファーストワンマンの恵比寿ザ・ガーデンルームはキャパ500人。そして、今日の恵比寿ガーデンルームはキャパ1000人。当日券でソールドアウトとなった満員の場内には熱気が満ちている。

客入れの音楽もないままに、定刻の16時にメンバーが入場。

1曲目は「Music Lovers」。シアンとブルーの照明が妖しくステージを照らす。ミラーボールが瞬くように光を反射する。

この瞬間、アイドスネッサンスは「ファーストワンマンのリベンジ」というレベルはあっさりと飛び越えて、次のステージに入ったように僕には見えた。

リキッドルームは完全にダンスフロアのようなノリになり、その勢いのまま「BANZAI」、「PTA〜光のネットワーク〜」を連続で披露。

MCでは挨拶と短めの自己紹介。

1周年ライブや、ファーストワンマンとは違って、今日はノンストップライブではない。ノンストップは確かに偉業ではあったけれども、どうしても「鬼気迫る」雰囲気や「気迫」が先行することが多くなりがち。今日のように、楽曲に合わせて雰囲気を切り替えて行く方が、楽しめるライブになるように感じる。

「最初はカッコいいアイドルネッサンスを見てもらったので、次はちょっと違った雰囲気の曲を聴いてください」というMCに続いては、「テレフォンNo.1」「女の子は泣かない」「う、ふ、ふ、ふ、」そして「Good day Sunshine」。これはカワイイアイドルネッサンス

ファーストワンマンと比べると、メンバーの表現力は格段に広がった。そして、音響も素晴らしく、照明とかスモークも曲想に合わせて演出効果を高めていて、曲の世界にどっぷりと浸ることができる。

ここまで終わるとステージの後方に機材が運び込まれる。

なんと、アコースティック演奏パート。これはうれしいサプライズ企画!

ピアノ・炭竃智弘、カホン・DEATH-O 吉川修、ギター・ピエール。炭竃さんとピエ―ルさんは、スマイルネッサンスでもお馴染みの方々。

演奏前から興奮気味の石野理子のMCが熱い。曲目は「YOU」と「スパイダー」。

ハーモニーの美しさが引き立ち、テンポを揺らしたりして、歌うことの楽しさが聴いている方にも伝わってくる。パフォーマンスだけ聴いたら、結成2年目で今日がアコースティック初とは信じられないようなクオリティ。

演奏が終わると、場内は大きな拍手に包まれる。宮本茉凜が「いつかは生バンドをバックに」と言えば、石野理子が「これからもアイドルネッサンスはいろんなことに挑戦したい」と語る。

実に頼もしい。

アコースティックの演者が退場すると、しっとりとした「初恋」と「二人のアカボシ」を。

ワンマンライブの中に、ただ盛り上げるだけでないこういう楽曲を組み入れることは、ある種の「冒険」であり、「挑戦」だと思う。

ライブアイドルのセトリを考えるときに、観客の反応のいい曲の流れというのは確かに存在する。だから、やればやるほど、演者の側にもファンの側にも、ある種の「必勝パターン」みたいなのができてくる。でも、それって、一歩間違うとワンパターンになったり、マンネリになりかねないんだよね。

今日のアイドルネッサンスには、観客を驚かせよう、新鮮さを演出しようという気概を感じた。

この2曲が終わるとメンバーは一旦ステージから引っ込む。

スクリーンには、今日のセカンドワンマンに向けたメンバーの意気込みを語る映像が流れる。


〜1stから2ndへの決意〜【2.28「エビスですこぶるネッサンス!!」幕間映像】アイドルネッサンス

徐々に加速する後半

新衣装に着替えたメンバーが現れると、今日初披露となる高野寛カバーの「ベステンダンク」を聴かせる。
歌詞に合わせて、壁を乗り越えようとしたり、感謝を示したりする振付けに目を奪われる。

この声は小さすぎて 君の元までは届かない
例えそれを知っていても 叫ばずにいられない
高野寛「べステンダンク」)

今日、恵比寿リキッドルームに集った人は1000人。生中継されたShowroomを見た人は7000人。合計8000人。

Showroomの視聴者数7000人は過去記録を更新したということで、もうこれは本当に凄いし、このセカンドワンマンを観ている人が8000人以上というのは、このグループへの関心の高さを如実に示している。

だが、アイドルネッサンスが音楽を届けようとしている人達はたぶんもっとずっと多いはずだ。

この規模まで来ても、まだそうした人の元へは届いていない。そして、それを知っていても、叫ばずにいられない―そんなメッセージの選曲なんだろうと理解した。

ここからは、アイドルネッサンスの真骨頂。

「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」から、最近の人気曲「金曜日のおはよう」、ライブで盛り上がる「恋する感覚」、そしてデビュー曲となる「17才」。

そう言えば、「17才」オリジナルを歌うBaseball Bearからもお花が届いていた。
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MCでは、新井乃亜が新衣装を紹介。ベストで、ワッペンの色はゴールドということで、もっと輝くようなアイドルネッサンスになると話す。

そして、いよいよラストスパート。「夜明けのBEAT」のイントロが始まると、ステージのメンバーも客席のファンも、スイッチが入ったように湧き上がる。この勢いのまま「リベンジ」、そして「シルエット」でライブの盛り上がりは頂点に。

ライブ終盤での定番曲「ガリレオのショーケース」をあえて封印したところに、この4カ月間のレパートリーの広がりを感じた。

MC。リーダーの新井乃亜が「私たちも熱を発射していましたが、どうでしたか。それでは熱いうちに一人ずつ感想を述べます」と言って、ここまでの感想を各メンバーがじっくりと語る。

  • 宮本茉凜:リキッドルームのステージから見える景色がすごくて感動した。みなさんに一生ついていきたいと思われるアイドスネッサンスでありたい。
  • 百岡古宵:ファーストワンマンでは悔しい思いをしたので、リベンジとして挑んだ。今日はみなさんに感謝の気持ちで一杯。
  • 石野理子:ファーストから精一杯出来ることをやって、いよいよこの日を迎えた。昨日は間違えたり怒られたりする怖い夢も見た。「反実仮想」というものかもしれない。今日は東京マラソンの日で、マラソンはもう終わったけれども、アイドルネッサンスはまだまだ走り続けます。
  • 南端まいな:この景色をみなさんと共有できてうれしい。そして、前回のワンマンからの4ヶ月の間に見つけてくださった方とも一緒に過ごせるのがうれしい。これからおっきなステージに行っても皆さんのこと待ってるにゃあ(拍手・歓声)
  • 比嘉奈菜子:スタッフさんに「挨拶は前もって考えないで、その場で思ったことを言って」と言われたので、今日は何も考えずにきた。景色が本当に凄くて、心の底から楽しめた。で、「感度が高まって感動して」(拍手)これだけは考えてきた。サードワンマンができるのであればぜひ挑戦したいし、個人的な目標としては、今年中に沖縄に行くのを実現したい。「ベステンダンク」の歌詞にもあったけれど、壁を乗り越えて行きたい。
  • 新井乃亜:みなさんが熱い空間を一緒に作ってくれたのがうれしい。さらに欲を言えば、もっとたくさんの人とそういう空間を共有していければいい。みなさんは「楽しい」以外のことは何も考えなくていい。「楽しい」とだけ感じて欲しい。アイドルネッサンスは、これからもまだまだ走り続ける。みなさんが追いつけないくらい(笑)

だいたいこんな感じだったかな。

最後の曲は「すべての人に感謝の気持ちを込めて」というMCから「Funny Bunny」。昨年末を駆け抜けたこの曲には格別の意味があるように感じた。

満場の拍手から再登場したメンバーは「太陽と心臓」を歌い、5月4日の2周年ワンマンを渋谷TSUTAYA O-EASTで行うと発表。ファンを沸かせると、「本当の最後の曲」として「また熱い夏が来る」と言う曲紹介に続いて「Dear, Summer Friend」を。

去年のTIFや@JAM EXPOや「夏の決心」のリリイベの記憶を蘇らせるようなパフォーマンスだった。

「リベンジ」を超えて「次のステージ」へ

アイドルネッサンスのファーストワンマンから4カ月余り。

この間、メンバーのパフォーマンスや表現力には4カ月分以上の著しい成長が見られた。

また、楽曲の構成、演出、照明、音響などのスタッフワークもファーストワンマンを完全に凌駕。

ファーストワンマンを「集大成」とするならば、今日のセカンドは「新しいステージ」に入ったと言えるような充実した内容だった。

お見送り会では、メンバー全員に「リベンジはもちろんだけど、今日次のステージに入ったね」と声をかけた。理子ちゃんや茉凜ちゃんのうれしそうな表情は特に印象的だったし、他のメンバーにも「やり切った」という満足感が滲んでいた。



アイドルネッサンスは、誰も通ったことがない「名曲ルネッサンス」の道を切り拓いて進んでいる。それも驚くようなスピードで。その歩みは、何にも似ていない。

ファーストワンマンの恵比寿ザ・ガーデンルーム(キャパ500)から一気にリキッドルーム(キャパ1000)へと倍増したが、次回の5/4の結成2周年ライブはキャパ1300のTSUTAYA O-EAST

今日のセカンドワンマンは、この先も駆け抜けていくであろう彼女達をずっと追いかけていきたいと思わせる最高級のライブだった。たぶん、今年のベストワンマンの最有力候補だし、今のところ暫定一位。

ということで、彼女達のさらに上を目指す挑戦を、ファンの一人として引き続き見守って行こうと思う。



(セットリスト)

1 Music Lovers
2 BANZAI
3 PTA〜光のネットワーク〜
4 テレフォンNo.1
5 女の子は泣かない
6 う、ふ、ふ、ふ、
7 Good day Sunshine
8* YOU
9* スパイダー
(*)アコースティック演奏
10 初恋
11 二人のアカボシ
12 ベステンダンク(初披露)
13 あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
14 金曜日のおはよう
15 恋する感覚
16 17才
17 夜明けのBEAT
18 リベンジ
19 シルエット
20 Funny Bunny
(アンコール)
en1 太陽と心臓
en2 Dear, Summer Friend