昨日までの私にさよなら〜callme’s workshop number2

昨日までの私にさよなら
出会い 別れとか
たくさんあったね
ありがとう過去のメモリー
(callme「To shine」)

7月12日の中野サンプラザのコンサートをもって、ドロシーリトルハッピーを卒業した秋元瑠海、富永美杜、早坂香美の3名によるcallmeの定期公演に足を運んだ。ドロシー卒業後、callmeにとって初めてのステージ。

冒頭、いつものように長いOPSEが流れる。続いてメンバー登場。モンドリアン風のワンピースにポニーテールといういままでの出で立ち。

一曲目のイントロは「To shine」。なんども聴いてきた曲。

リーダーの秋元瑠海が、強い眼差しで客席を見つめて、こう歌い出す。

昨日までの私にさよなら
出会い 別れとか
たくさんあったね
ありがとう過去のメモリー

思わず膝を打ちそうになる。「To shine」とはこういうメッセージをもった曲であったのかと。

続いて富永美杜と早坂香美がこう続ける。

風が背中押してるよ
今なら自分信じて
踏み出せる 迷わず
光浴びる道を

僕は「ああ、この3人は、もう踏み出している、迷いはないんだ」と改めて思う。

RUUNA、MIMORI、KOUMIの3人の表情は晴れがましく、それを見ている観客の表情も皆楽しそう。

客席は座りがだいたい埋まり、立ち席にも多くのファンの姿。後で聞いたところ、当日券で入った人が50くらいあったとか。僕もその中の1人。

自己紹介のMC。RUUNAは「私たちcallmeは、また一から頑張って行きますので、よろしくお願いします」と挨拶。会場から拍手喝采を浴びた。

曲の合間のMCは実にのびのびとしていて、昨日は一日作曲に費やしていたこと、新曲もできたことなどが語られる。

作曲担当のMIMORIが「いつもはピアノで作曲するんだけど、昨日はギターを弾くスタッフさんと一緒で新鮮だった」とトーク。仮歌は、いつもハミングなのに、昨日は「いつもありがとう」「またねグッバイ」などとフレーズが入っていたという話になる。

そんなのびのびしたMCを挟みながら、callmeのライブは和気藹々と進んでいく。

そして、新しいアー写の告知。

新緑の中にチェック柄のワンピース。ポニーテール。早坂香美はおでこ全開のおでこうみん。従来のものが、モード系に振っていたのと比べると、だいぶ自然な感じに映る。好みの問題もあるだろうが、僕はこっちの方がずっと好き。

そして、さらに告知。

10月28日にファーストアルバムをリリースするとのこと。

callmeは、そもそもセルフプロデュースが売りである。当人たちがどんどん作品を生み出していることを考えれば、ライブとCDという両輪の形で、多くの人に届けることができる機会が増えるといいなと思っている。なのでこれは朗報。特にcallmeの音源は渇望しているので、アルバムは僕も欲しい。

ライブの時間はあっという間に過ぎて、最後の曲が終わると時計はもう21時近く。

メンバーの達成感、ファンの満足感は、客席にいてもしっかりと感じられた。

客電が点灯し、BGMが流れる中、ファンから「アンコールミー」が発動。

客席の拍手とコールはどんどん大きくなる。わくわくするような高揚感が館内に広がる。

それが楽屋まで伝わったのか、3人のメンバーがステージに登場。きゃくせきからは拍手喝采と大歓声。

アンコールは予定になかったということで、本編でも歌った曲を再度披露。メンバーの嬉しそうな顔が印象的。

秋元瑠海が「これからも夢に向かって努力したいと思います。みなさんと一緒に自分たちの夢を叶えられるように頑張りますので、応援よろしくお願いします」と挨拶。

従来のcallmeのライブと同様、今日のMCでも「ドロシー」の言葉を聞くことはなかった。これからもきっとそうなんだろう。

このことは、まさに彼女たちが「夢」に向けて歩き出していることを示すものだと僕は思う。なんと頼もしいことか。

ドロシー卒業後のcallmeの初舞台は、動員面、内容面とも成功を収めたと言えるものだった。

そんな3人のスタートに立ち会えたことをうれしく思う。

callme現場、すごく楽しいし、熱い。そして、みんな前を向いている。

新曲も驚異的なペースで増え、アー写も新しくなり、夏のフェスにも数多く出演が決まっている。

今までのキャリアからも、callmeは相当にレベルの高い3人組ユニットであるが、そこに止まらない強い決意と向上心がエンジンとなって上を目指している。

あえて弱みを言えば、ユニットの<物語>が希薄だというのがあるが、これも、あの中野サンプラザの終盤のMCで<伝説>が生まれることで一変した。

メンバーの高い志を思えば、多くのステージの機会を通じて、まだまだ伸びるユニットだと思うし、個人的には多くの人に先入観なく観て欲しいと思う。

callmeの熱い夏は、まだ始まったばかりだ。