「シンデレラ」(2015年)

ANA国際線イチオシ映画は「シンデレラ」。ということで鑑賞。

ディズニーの童話シリーズは、アニメと実写と両方の手法で世に出てきており、このシンデレラは実写の最高峰と行ってもいい。

特に、魔法使いがかぼちゃを馬車に変えるシーンのファンタジックな美しさはこの作品の最大の見所だと思う。もちろん、うっとりするような舞踏会のダンスの場面も壮観。

個人的にディズニーのアニメのデザインや動きが好きではないので、こういう実写が増えるようであれば歓迎したい。

ストーリーの方は、原作を丹念に再現したものになっていて、改変もなければ、目立った追加も省略もない。

シンデレラ役のリリー・ジェームズは、清楚な美しさと内面の強さを体現していて、他のディズニー作品のヒロインもいけそうな尊大感。

一方で、継母役にケイト・ブランシェット、魔法使いにヘレナ・ボナム・カーターと、脇を固める俳優陣も豪華。ヘレナのコミカルな演技も良かったが、ケイト・ブランシェットの凄みのある悪役が忘れがたさを残す。

監督のケネス・ブラナーは、イギリス出身のベテランで、シェークスピア作品で実績を積んで、現在はハリウッドの大作をいくつも生み出している。

僕の中では「ハリーポッターと秘密の部屋」で登場したギルデロイ・ロックハート先生の見掛け倒しでポンコツな演技が印象的だったが、実際のケネス・ブラナーは見掛け倒しのポンコツじゃなくて、手堅い実力派監督だった。

「シンデレラ」は、大きなサプライズはないが、ファンタジーの実写化という点でしっかりと期待に応えてくれる良作だった。