夏休みはやっぱり短い
やりたい事が 目の前にありすぎて
今日までまだ誰も知らない
まぶしい時を ぼくがきみに見せてあげる
(大江千里「夏の決心」)
アイドルネッサンスの定期公演「アキバで漲るネッサンス」の千秋楽。
まずは思い出トラベルネッサンス
オープニングで「思い出トラベルネッサンス」の動画が流れ、タイムマシンに乗ったような感覚になったところでメンバーが登場。
エクゾチックなイントロで始まる久保田早紀の「異邦人」でスタート。
石野理子の切なさをたたえたボーカル、何かを探して遠くを見つめるような百岡古宵の表情。
「石畳の街角をゆらゆらと彷徨う」では南端まいながメンバーが作る柱を蛇行するようなダンスを見せる。
一気にアイドルネッサンスの世界に引き込んで二曲目はバンドサウンドのPERSONZ「7 COLORS(Over The Rainbow)」。7色の虹の見せる世界を歌ったこの曲も、7人のメンバーの彩りが織りなすアイドルネッサンスの世界にぴったり。
自己紹介のMC。
新井乃亜が「お菓子作り大好き。ブログでもあらちゃん食堂、たまーに更新中? あれ、あ、営業中!」と、珍しく自分の自己紹介を言い間違えると、場内の雰囲気は一気に和やかに。
比嘉奈菜子が「私は天使ではありません。悪魔でもありません。あくまで人間です」とダジャレを飛ばし、続く南端まいなは「今日の色は…千秋楽ということで秋色だにゃあ」。え?もう秋なの?秋色ってどんな色なの?って思ったのはナイショ。
その後は、90年代の「愛のしるし」、ゼロ年代の「ドカン行進曲(己編)」、10年代の「テレフォンNo.1」と時代は現代に戻ってくる。
アイドルネッサンスの現場の魅力は、クラップと指差しだって思ってるけど、「テレフォンNo.1」のエンディングの指差しは、思いがけないところからくるのがドキドキするし、来たときにブチ上がる。
1998年を振り返るコーナー
続いて、「あの頃に想い出フォーカス」。これは、特定の年にスポットを当てて振り返るコーナー。
今回は、1998年。ステージのスクリーンに「こんな年」だと紹介されたのは、「タイタニック」「厚底靴」「ネイルアート」。
この頃のになるとメンバーからも「知ってる」という声が上がる。
比嘉奈菜子と百岡古宵が「タイタニック」の有名なシーンの再現。こよちゃんのオットコ前な演技も良かったけど
BGMを歌う宮本茉凜が主役より目立ったりとか、橋本佳奈がどこからか扇風機を持ってきて風を再現したりとか、もうわけが分からないカオスな空間。進行役のあらちゃんも思わず「いやー、ちょっと引いちゃったよー」とコメント。でも、根っからわちゃわちゃしている感じ、楽しすぎる。
そして、メンバーでただ一人1998年に生まれていた大学一年生のリーダー橋本佳奈が、その当時の記憶を聞かれると、「うん、そうだねえ、そのときは…って、覚えてるわけないだろー!!」ってノリツッコミ。こういうコントでのかなぼんの作る空気って安心して見ていられる。
続いて1998年の登場のヒット邦画ベストスリーが紹介される。
1位「踊る大捜査線 THEMOVIE」
2位「ポケットモンスター ミューツーの逆襲」
3位「ドラえもん のび太の南海大冒険」
ここではお約束の画伯対決ということで、石野理子と南端まいなの一騎打ち。お題は「ドラえもん…」と言ったところで、以前のドラえもんの画伯対決がデジャブのように蘇ってきたが、「…のスネ夫を書いてください」ということで、制限時間60秒でりこぽんとまいながスケッチブックにスネ夫を描く。
目がバッテンになった顔を描いて「おい、のび太!」という文字を達筆で書いて雰囲気を出したりこぽんだったが、「そのセリフってジャイアンじゃない?」と突っ込まれる始末。
一方、まいな画伯は、なぜか煙突の上の方に小さくスネ夫らしき顔が乗っているという完全な南端まいなワールド。
本人曰く「ドラえもんといえばドカンでしょ?」とドヤ顔。まいなは本当に期待を裏切らない。
りこぽんが「これは、マジで勝った」とつぶやくのを僕は聞き逃さなかったが、あらちゃんが「特に勝ち負けとかはないんですけどね〜(ニヤリ)」と非情なオチをつけて、画伯対決は無事に終了。1998年に因んで、入場番号19番に石野画伯の絵が、98番に南端画伯の絵がプレゼントされた。
最後は1998年のヒット曲ベスト3。
1位 誘惑(GLAY)
2位 夜空ノムコウ(SMAP)
3位 my graduation(SPEED)
前回に続き、曲のタイトルを使った川柳が紹介される。今日はメンバー4人の抜粋。
「誘惑に 負けるな一茶 これにあり」(橋本佳奈)
「テスト前 睡魔の誘惑 寝てしまえ!」(新井乃亜)
「私がね 卒業するのは ネガティブだ」(石野理子)
またしてもまいなのところでツッコミが集中すると、まいながムキになったような顔で「字余りじゃないでしょ?!」と反論。「でも、意味が分からない」と言われて、そういう歌詞だよ、じゃあ歌おうという流れで、アカペラで「夜空ノムコウ」を歌う。観客も一緒に。
♫夜空の向こうには もう明日が待っている
「ほら、あったでしょ?」とドヤ顔になるまいなに、「いや、そういう問題じゃない」と追い討ちをかけるメンバー。南端まいな、愛すべき存在だな。
新曲「夏の決心」発表
後半はファンからのリクエストに応えるコーナーだが、ここで、7月28日に発売される新曲のことが発表される。
タイトルは、大江千里カバーの「夏の決心」。昨年の新人公演からアイドルネッサンスが要所要所で披露してきた大事な曲で、ファンも拍手喝采。
MCの新井乃亜ちゃんがその反応に大喜びして「それではその「夏の決心」を今日ここで…」と言いかけると、宮本茉凜が「ちょっと待って。まだ言うことあるでしょう?」とすかさずツッコミ。そのあまりの剣幕に観客から笑いが起きると、「いいんですかみなさん? 大事なこと聞かなくても?」とドヤ顔で焦らす。まりんちゃん、どんだけドSなんだよ。あらちゃんが恥ずかしがって、なっこの陰に隠れてるじゃないか、しかも、なっこのスカートをつまんでカーテンみたいにして身を隠して…いつもしっかりもののあらちゃんが不意に見せるこういう恥じらった表情、たまらないものがある。
追加の告知情報はカップリング曲で、大瀧詠一の「Happy Endで始めよう」と、真心ブラザーズの「Dear, Summer Friend」。大瀧詠一のはアンセムだし、真心の方も、ストリングスとホーンをゴージャスに使った夏ソングで、歌詞がしりとりになっている遊び心のある曲。神カップリングとしか言いようがない。
ライブが再開し、その「夏の決心」から、バラード曲「女の子は泣かない」へ。
今日は音響の調子も良く、りこぽんもあらちゃんもそして、落ちサビを歌うまいなもしっとりとした切ない世界を聞かせてくれた。女の子
泣かないって言っているのに、聴いているおじさんが泣きそうになったけど、必死に我慢していた。
そして、最新CDから「恋する感覚」「YOU」、最後は「ガリレオのショーケース」。オールスタンディングのライブハウスのような熱量で、今のアイドルネッサンスの勢いを全身に感じる。
アキバで漲るネッサンス!千秋楽です!
ガリレオのショーケース!
#アイドルネッサンス pic.twitter.com/GxiF1xKiXs
— アイドルネッサンス (@idolrenaissance) June 15, 2015
会場のこの熱量が収まるはずもなく、客席からは熱烈なアンコール。
メンバーのこの夏の決心
「アンコールありがとうございまーす!」と言いながら登場したメンバーは、「ミラクルをキミとおこしたいんです」を披露。
MCでは、今年の夏のアイドルネッサンスのテーマが「二度目の夏を駆け抜けるネッサンス」になったと紹介される。
フェスへの出演に加えて、6/28〜7/31には「夏の決心」のリリイベで都内や横浜のレコ初巡り、そして、8/11〜8/16には、関東六県を巡ることが発表される。
新井乃亜がメンバーを代表して挨拶する。
この夏の私たちの決心をメンバー一同で話しました。アイドルネッサンスにとって今年の夏は勝負です。一分一秒も無駄にしたくありません。夏が終わるころには、今までよりも一回りもふた回りもおおきなアイドルネッサンスになってみせます。みなさんの夏を私たちに下さい。みなさん、私たちに付いてきてくれますか? (会場から大きな拍手喝采)
アイドルネッサンスのメンバーの澄んだ力強い瞳に見つめられてこんな力強い言葉を聞かされたら、ファンはどこまでもついていくしかない。
「夏の決心」の歌詞には「まぶしい時を見せてあげる」とあるけれど、きっと彼女たちは僕らにまぶしい光景を見せてくれるはず。
すかさず、宮本茉凜が「私たちもさっきスタッフさんに聞かされたんですけど」と切り出して、今日の定期公演がソールドアウトになったことを報告する。
月曜日の18時開演というのは参加が容易ではなく、これまでももう少しでソールドアウトというところまで来ていたが、定期公演としては今日が初めてのソールドアウト。メンバーの感激した顔を見てこちらも感激。いまにも泣き出しそうな瞳のなっこを見ていたら、僕も泣けてくる。
いま僕らはすごい瞬間に立ち会っている、という感覚が襲ってくる。
アンコールの最後の曲はデビュー曲の「17才」。
二度とない季節が通り過ぎていくよ
(アイドルネッサンス「17才」)
そう。いま通り過ぎていく季節は、二度とない。
彼女たちをこんなに近くで見られる時間はそう長く続かないだろう。
7月からも、このAKIBAカルチャーズ劇場で定期公演が行われることが発表されたが、おそらくまたソールドアウトになるだろう。
そして、今年の夏が終わる頃には、アイドルネッサンスは一回りもふた回りも大きくなって、眩しくなって、多くの人に感動を与える存在になっていくに違いない。
いつか僕は「アイドルネッサンスと過ごした2015年の夏」がどんなに熱かったかのを、懐かしく、そして、少しだけ誇らしく回顧することになるだろう。
そんなわけで、僕のこの夏の決心を述べるとすれば、今年の夏はアイドルネッサンスに捧げーるネッサーンス!!
(セットリスト)
1 異邦人
2 7 COLORS(Over The Rainbow)
3 愛のしるし
4 ドカン行進曲(己編)
5 テレフォンNo.1
6 夏の決心
7 女の子は泣かない
8 恋する感覚
9 YOU
10 ガリレオのショーケース
(アンコール)
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