Negiccoが8月16日に日比谷野音でワンマン

Negiccoの全国ツアーファイナルで8月16日に日比谷野音でワンマンを行うことを発表した。

natalie.mu

日比谷野音キャパ3,114人

首都圏でのライブは先月の赤坂BLITZの1階(1,147人)が過去最大のハコであった(2階は最初からチケットを販売せず関係者席にした)。

今度の日比谷野音のキャパは座席のみで2,664人、立見席まで含めれば3,114人。勢いのあるときのファンの増え方を称して「倍々ゲーム」と呼ぶが、2倍を軽く上回るチャレンジとなる。

定石に従えば、Zepp中野サンプラザなどの「2000人」級のハコを挟む。たとえば、Negiccoより一足早く7月5日に野音ワンマンを行うアップアップガールズ(仮)の場合、中野サンプラザワンマンを成功させている。今回、そうしないのは、野音の使用料が安いという台所事情も多分に効いているかもしれない。実際一足飛びで大丈夫なのだろうか。

8月1日・2日のTIFに出演することでいわゆる「アイドルDD層」へのアピールも行うだろう。また8月11日には新曲を出すことでTV媒体なども絡めた「一般層」の取り込みも期待できる。ということで、いまのNegiccoの勢いを保ち続ければ、この急勾配でのジャンプに勝算は立っているのだろう。

問題はむしろ日程の方かもしれない。

この日は日曜日ではあるが、お盆休み中だ。

赤坂BLITZは平日(金曜日)でありながら、実際には1000人弱の集客はできていた。今度の8月16日は休日(日曜日)である。Negiccoのファンの大多数は首都圏の就労層が中心であることを考えると、いわゆる「お盆休み」の期間で実家に帰省しても、この日の午後には東京に戻ることは可能な日程だという算段はあるだろう(新潟県民の遠征は、Uターンラッシュと重なって大変かもしれない)。

野音は利用料が安い分、人気が高く、今回押さえられる日程はここくらいしかなかったのかもしれないと想像する。「お盆休み」というハンデを打ち返すだけの勢いを生み出すというのが、運営の算段だろうと思う。

野音という「特別な場所」

NegiccoメンバーのKaedeは2013年から日比谷野音に立ちたいと公言していた。それは日本武道館という目標よりも多かったように記憶している。

その理由を彼女はこう語っている。

KaedeのTweetへのリプでも分かる通り、Negicco野音で観たいというファンは実際に多いし、僕もその一人だ。

それを受けてか、ここ1年くらいのNegiccoのライブは、生バンドを入れたり、野外でのフェスに多く参加したりと、当面のターゲットを野音でのワンマンに合わせているようにさえ思えた。

そして、先月発表になった7月の「NEGIFES」の会場は、埼玉の所沢航空運動公園。キャパ2000人と日比谷野音よりは若干小さいが、ステージからすり鉢状に広がる座席は野音の構造と酷似している。

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NEGIFESをここで7月に開催すると発表した時点で、これはある種の野音のリハーサルないし前哨戦的な位置付けになるだろうと直観した。

そして満を持しての今日のツアーファイナルでの発表である。これはファンへのアピールとしては最大級の効果をもたらしたであろう。

そして待望のファンクラブ

野音の発表と同時に、公式ファンクラブ「Negicco HOUSE」の発足が発表された。

sp.negiccomobile.net

会費は毎月400円・年額4800円。ファンクラブの特典はいろいろあるが、今回の野音のチケットは「ファンクラブ先行」であるとアナウンスされた。

Negiccoのライブやイベントチケットはときに「早い者勝ち」で激しい争奪戦が繰り広げられる。良番争いならともかく、販売開始早々に「売り切れ」となることもしばしば。最近の人気を受けて、転売屋が跋扈している事態も懸念された。

なので、こういう形でファンクラブ会員が先行予約できるのは、メリット感が大きい。そしてこういう会費の一部でも、Negicco運営の収入となって、安定的な運営に繋がると思うと「推す」心も満たされる。

願わくは、ファンクラブの会員数がどんどん増えて、規模の効果が働くことで、ファンと運営がともにメリットのあるものに育っていってほしい。

Negicco運営を尊敬する

今回の全国ツアー完走、そして、野音のワンマン発表、ファンクラブ設立という一連の流れを見るに、Negiccoの運営はしっかりしていると思う。ローカルアイドルならではの難しさもあると思うが、本当によくやっていると認めざるを得ない。

僕も、これまで一ファンの立場から、オリコンTOP10のためにミュージックカードを導入しようとか、ファンの裾野を拡大するために全国ツアーを実施しようとか、女性のリピーターを増やすためにライブ会場に「女限エリア」を設定しようとか、そろそろNegicco公式ファンクラブに入りたいとか、実に身勝手なことばかり言ってきた。

新譜CDは必ず買うけれども、配付するほど積んだりはしない。全国ツアーで遠征はするけれども、全通はしない。そして、他のアーティストの現場にも出入りしている―まあ、その程度の「ライトファン」ではあるけれども、Negiccoで「見たい光景」は、メンバーや運営や他のファンと大きな相違はない、同じ方向を向いていると自負している。

今回の野音でのワンマンも含めて、僕が望んできたことは、ここまで全部実現してくれた。少なくても「それは難しい」とか「なぜやらないか」などの「できない理由」について、運営が弁明することは一回もなかった。

ここまで来たら、Negicco野音は今年何としてでも見たいライブであるし、今年のベストライブになる可能性が高いと思っている(ちなみに、去年の個人的ベストライブは、女子流の野音)。

そして、その先の夢も…NegiccoNegicco運営が、ファンに夢を見させ続けてくれ、その夢をいつか実現してくれることを信じている。