青春の終り―ドロシーリトルハッピーから3人のメンバーが卒業

ドロシーから、秋元瑠海、富永美杜、早坂香美が卒業すると発表された。5人のドロシーは、7月12日の中野サンプラザが見納めとなる。

平素よりDorothy Little Happyを応援いただき誠にありがとうございます。
この度、メンバーの秋元瑠海、富永美杜、早坂香美がDorothy Little Happy Live Tour 2015 5th Anniversary 〜just move on 〜7月12日の中野サンプラザ公演をもってDorothy Little Happyを卒業することになりました。
応援いただいているファンの皆様には大変残念なお知らせとなってしまい申し訳ございませんが、メンバーが考え抜いて出した結論としてご理解頂けますと幸いです。
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思い起こせば、昨年12月30日のクラブチッタで「ドロシーからの選抜ユニットcallme結成」が発表された時点で、この事態のタネは撒かれていた。「5人の固定メンバーから3人を選抜?」っていう時点で頭の中にクエスチョンが生まれた。そして、そのクエスチョンは日に日に頭の中で大きくなり、結局、callmeの3人のドロシーからの卒業という事態に帰結した。

この件については、僕は2月くらいから今日の日が来ることを予想していた。はっきりと口にすることで実現してしまう「言霊」を恐れていたので何も言わないことを貫いたけれども、断片的な情報をつなぎ合わせれば合わせるほど、導かれる結論は一つだけにしか見えなかった。



忘れがたいことがある。

去年の12月30日、ドロシーが冬の全国ツアーファイナルを行った川崎クラブチッタで「一年を振り返る」というMCがあった。

そこで秋元瑠海は「一年間頑張って来ました。今度高校を卒業するけれども、私の青春はドロシーリトルハッピーでした」と涙ながらに語った。「なぜ過去形?」このときにも頭の中にクエスチョンが生まれたけれども、今日ならその意味を正しく理解できる。あのときの表情を思い出せばなおさら。

そう、青春は終わる。

いつ終わるかは人によるが、学校を卒業して社会人となったら、職業を選ばねばならない。

良い面に焦点を当てれば、それは「自己実現」のチャンスである。自分のやりたいことを見つめて、それを突き詰めるチャンスである。

他方、そこは「社会」であると同時に「市場」でもある。芸術であろうと、ショービズであろうと、全てが金銭でやりとりされる「大人の世界」である。

僕のような精神的なモラトリアム人間はずっと青春の只中にいたいと思うのだけれども、そんなわけにもいかない。

どこで自己実現を目指すのか―<物語>厨のアイドルヲタクとしては、メンバーが一丸となって成功を目指してほしいのだが、一般論で言えば容易なことではない。

まして、アイドル市場の縮小が明らかになっているこの2015年、バラバラになったユニットをどれだけ見たことか。どこも例外ではなく、「対岸の火事」ではないと思い知らされる。

ドロシーの5人のメンバーのことは全員大好きだから、それぞれの選んだ道のことをとやかく言う気にはなれない。いわゆる「大人の事情」が絡むにせよ、だからと言って批判するつもりもない。ファンとしてはそれぞれの夢の実現を願うばかり。

でも、ファンの身勝手を承知で一言言わせてもらうなら「この5人でドロシーの夢を叶えて欲しかった」。その夢の姿の一部だけでも、7月12日の中野サンプラザで見せて欲しいと願う。