待ち詫びていた―小林清美 生誕ライブ@池袋アップルジャンプ

Peach sugar snowの独特の世界観を決定付けているのは、指導者兼プロデューサーの小林清美に他ならない。今日は清美先生の生誕ライブがあるということで足を運んできた。

会場となった池袋アップルジャンプはグランドピアノのあるライブスペース。受付で清美先生にご挨拶し、新譜CD「キミ坂道」を購入する。素敵なジャケット。先生から手作りのクッキーのプレゼントを頂く。

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目の前にグランドピアノの鍵盤という席に着く。譜面立てに紙が置いてあるのが見えるが、音符もコードもなく、書いてあるのは歌詞のみ。

赤いドレスで登場した清美先生。

いきなり、新曲の「内緒の話の魚」(表記は不明)を。Pssの次の次の新曲の候補であると。海の底の魚を歌った楽曲。寂しげな歌詞でいきなり小林清美ワールド。

トークを交えながら、PssやFUJI△PASSIONも提供している「だいじょうぶ」、そしてFUJI△PASSIONが歌っている「明日また」を。

K&MのスタッフがFUJI△PASSIONの歌う「だいじょうぶ」を聞くと泣けてくると言っていたというエピソードを披露していた。若くて歌詞の意味が分かっていないのに全力で歌うところに泣けるということだったのだけれど、清美先生の歌う「だいじょうぶ」や「明日また」は、「絶望を知った人がそれでも希望を抱くことを誓う」ような力強さがある。

続いて、これまた新曲の「電子記号少女」を。あいなちゃんソロになる新生Pssに提供する新曲。ピアノ弾き語りながら打ち込みのアレンジを想起させるキャッチ―な楽曲。電脳世界の少女が現実世界に恋をするという設定も面白く、途中に差し挟まれる早口言葉のようなパートがかわいかった。これ、ウィスパーヴォイスでどう再現するんだろう。。。

ここでゲスト登場。

Pssのあいなちゃんが赤いワンピースで登場し、ピアノに腰掛ける。清美先生のオリジナル曲を歌うということで披露したのは「強く生きたい」。

あいなちゃんの少しだけハスキーな優しいボーカルと、ルバート気味にテンポを軽く揺らすピアノの演奏。Pssとはまた違った顔を見せてくれるのが好き。サビでは、清美先生のハモリも入って、この二人の師弟コラボにはまたしても感動を与えられた。

ちなみにあいなちゃんが見ていたのも、先生と同じく歌詞だけを書いた紙で、どれだけ才能があるんだろうと思わずにはいられない。

再び清美先生がピアノに戻り、新曲の「キミ坂道」をオケをバックに歌い上げる。

そう待ち侘びていたんだ 君にずっと会いたい
息切れしてこの坂 駆け足で上って行く
(小林清美「キミ坂道」)

とてもポジティブな、決意を感じる歌詞。楽曲はキラキラ星を原曲としたものだが、盛り上がるもので、先生自ら手拍子をするタイミングを教えてくれた。この曲は、classic fairyの新曲として歌詞やアレンジを変えて提供されるということ。

終盤は、代表曲「会いたくて」、ちょっとコミカルな「土曜日は待ちぼうけ」、そして自らの心の深淵に入っていくような「僕」と、小林清美ワールドの一番コアな部分をじっくりと聴かせた。

ここからはアンコール。

ファンの希望を聞いて、まずは「電子記号少女」を。そして、誕生月のファンを祝福する「ハッピーバースデー」弾き語りの後、再度ファンのリクエストを聞く。

「だいじょうぶ」か「キミ坂道」かどちらかを、というファンの声に、じゃあ両方!ということになって充実のアンコールパート。清美先生のピアノは力強く、特にフォルテッシモで鍵盤を叩くところがたまらなく魅力的。

最後に、Pssあいなちゃんが音頭を取って、ファン全員で清美先生に「ハッピーバースデー」を歌って、アットホームな生誕ライブは幕を閉じた。

これからPss新曲、桃香ソロ、classic fairy新曲とK&Mのイベントは盛りだくさんだが、そのエンジンとなる小林清美先生が、精力的に新曲を生み出す姿を見て、今後のK&M勢の活躍に期待が持てると思った。


(セットリスト)

1 内緒の話の魚(新曲)
2 だいじょうぶ
3 明日また
4 電子記号少女(新曲)
5 強く生きたい(Pssあいな弾き語り)
6 キミ坂道(新曲、オケ)
7 会いたくて
8 土曜日は待ちぼうけ
9 僕
(アンコール)
en1 電子記号少女
en2 ハッピーバースデー
en3 だいじょうぶ
en4 キミ坂道

最後にPssあいなちゃんの音頭で小林清美先生に全員でハッピーバースデー