天使が通るードロシー Winter Tour 2014 新宿BLAZE

Winter Joy ずっと好きなんだ
再び手を取り合って
キミの気持ち知りたいよ
ドロシーリトルハッピー「Winter Joy」)

今日はクリスマス。

冬の全国ツアーとアルバムのリリイベが重なって多忙を極めるドロシーは、「追加公演」という形で新宿BLAZEでワンマンライブを行った。


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登場時のOPSEはツアーの昼公演・夜公演のいずれとも違うもの。「シャンシャン」という鈴の音が入ったようなサウンドが、クリスマス気分を盛り上げる。

白地に赤の衣装で登場したドロシーメンバー。「永遠になれ」を厳かに歌い始めると、そこから「未来への虹」「2 the sky」という沸き曲へ。ツアーの昼公演に準じた導入。

MCの自己紹介に続き、「ASIAN STONE」を。

ここからはツアーの昼公演とも夜公演とも違ったセトリに突入。

「新しい世界の大きな扉をこの手でいま開くよ」という「ASIAN STONE」の歌詞にある通り、2014年の年の瀬に「circle of the world」というミニアルバムでドロシーが切り拓いた世界を、聴かせる、見せる、そして、魅せる。

歌うことへの想いを込めた「Singing」、殻を破って次を目指す決意を歌う「Breakin' Through」、訳知りでステレオタイプな評価にNOを突きつける「インマイライフ・フォーマイライフ」を連続で。

女子流は12月20日の渋谷公会堂のライブで「カワイイ見納め」と「NEXT STEP」という二公演を見せたが、時を同じくして、ドロシーも新境地を開拓している。

こういう言い方が適切なのかどうか分からないけれども、ドロシーは、もうとっくにかわいいだけのグループではなくなっていて、しかもわざわざそれを口に出したりはしない。

その代わりに「circle of the world」というアルバムをリリースしているのだと受け止めている。この一枚は、言葉で語るのが不器用なドロシーらしい「次のステージへ」という宣言のように思える。

次にそんな「circle of the world」のリード曲から、リード曲「それは小さな空」だったを。

離れていく男女の心を「もののあはれ」の境地で描いた名曲。坂本サトル自らが「10年に一度の傑作」と言うだけの奥深い作品だが、歌うドロシーの側も、ダンスを封印して、微細なニュアンスももらすまいとして伝えてくる。

自分が男性であるせいか「STARTING OVER」で涙を流したことはなかったけれども、この日の「それは小さな空だった」は、聴いているときに流れる涙を止めることができなかった。

鳴り止まない会場の拍手に続いて「週末だけのロミオとジュリエット」「colorful life」「set yourself free」と楽しげな曲を。

テーマMCでは「今年一番のニュース」というお題で、掛け合い漫才のような楽しいトークを聞かせてくれた。

るーちゃん:佳奈ちゃんに間違われた
麻里ちゃん: ラブライブのスクールフェスティバルをやっていて、ランクが75超えたこと
こうみん:インドネシアにいったこと
佳奈ちゃん:高崎でライブしたとき「欲しい家電」で除湿機をあげたら、実際に家族が買ってくれたこと
みも: アルバムの歌詞カードに自分の描いたイラストが載ったこと

今回のアルバムでは、佳奈ちゃんが作詞、みもがイラストで携わっていて、ドロシーメンバーのクリエイターっぷり、本当に凄いな。それだけ表現したいことがあるってことなんだろう。麻里ちゃんやるーちゃんのボーカル、こうみんのダンスからも、そういう「表現への意思」みたいなものを強く感じる。

ここで、メンバー全員でサンタクロースの帽子を被り、アルバム収録曲で唯一ライブで歌われていなかった「Winter Joy」を初披露。ドロシーには珍しい「ぼく」を一人称とする一途でかわいいラブソング。晴れた冬の青空のように透き通る楽曲と、スケートを模したようなかわいい振り付け。これは見られてうれしい。

この後の「ラスト・ウィッシュ〜同じ色のクリスマス〜」では、天使の歌声のようなコーラスワークを聞かせ、「Winter Joy」と合わせて、クリスマスに会場に集まったファンへのプレゼントとなった。

「ラスト・ウィッシュ」では、バックトラックが中断するトラブルがあったが、何事もなかったかのように歌い続け、終わったあとのMCでは「きっとサンタさんが来たんだよ」と冗談っぽく取り上げて会場を和ませる余裕も見せた。

フランスでは、会話に沈黙があったときに「天使が通る」っていうけれども、この夜のドロシーのライブには、天使が通ったんだと思う。間違いなく。

終盤は、ニューアルバムの中でもライブで最強の輝きを放つダンスチューンの「シークレット」から。

リードボーカルの秋元瑠海の歌があってこその楽曲だけど、Cメロ「君で溢れてなきゃ 心配になるのよ まだ子供なんて 言わないで」で踊る白戸佳奈の切なさを抑えきれないような表情が凄い。彼女が作詞で込めた想いまで想像しつつ見入ってしまった。

畳み掛けるように「My Darling」、そして「D!L!H!」コールで盛り上がる「諦めないで」でフロアが沸き返ったところに、最強のキラーチューン「恋は走りだした」。会場が爆発するような勢い。僕も沸きに沸いた。

「四つ打ちREMIXなんていらなかったんだ」と思っていたが、最後はREMIXの「ストーリー」で締め。これはこれで悪くないし、今回のツアーの中ではREMIXに携わった人への配慮の意味はあるのだろうけど、この日の全体のセトリの中ではちょっと浮いた感じはあった。もちろん、それでもすごく楽しかったけどね。

メンバーが挨拶して退場しても、興奮冷めやらぬ会場からはアンコールの大歓声。このツアーでは基本的にアンコールなしだと分かっていても、こんなパフォーマンスを見せてくれたら僕も叫ぶしかなかった。

それに応えてステージに姿を見せたメンバーはオリジナルアレンジの「ジャンプ!」を。本当にエモーショナルで、陳腐な言い方しかできない自分がくやしいけれども、ステージとフロアが一体になった瞬間だった。

この日、関係者席には、リリスクのayakaさんとhinaさんの姿もあった。ドロシーが「アイドルに憧れられるアイドル」であることを改めて認識させられた。大部さん、幸せそうだったな。。。

こんなドロシーのWinter Tour2014も、いよいよ12月30日のファイナルの川崎CLUB CITTAを残すのみ。

僕のヲタ活もこのドロシーのCITTAが今年の最後の現場になる予定。ドロシーなら、2014年を締めくくるような素晴らしいライブを見せてくれるって信じている。


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(セットリスト)

1 永遠になれ
2 未来への虹
3 2 the sky
4 ASIAN STONE
5 Singing
6 Breakin' Through
7 インマイライフ・フォーマイライフ
8 それは小さな空だった
9 週末だけのロミオとジュリエット
10 colorful life
11 set yourself free
12 Winter Joy
13 ラスト・ウィッシュ〜同じ色のクリスマス〜
14 シークレット
15 My Darling
16 諦めないで
17 恋は走りだした
18 ストーリー(MIX)
(アンコール)
en. ジャンプ!