東京女子流「KILLING ME SOFTLY」赤坂BLITZ

赤坂BLITZの女子流定期公演の4回目。昼の部はアルバムの曲を順に演奏、夜の部は「ハードボイルド」というコンセプト。

夜の部の方に興味があったが、台風接近のため、昼の部の鑑賞に絞って赤坂BLITZへ。


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開演時間。ライトの灯らないステージに女子流のメンバーが現れる。暗がりの中でもうっすらと輝くパステルカラーのドレス。左から、黄色、水色、赤、緑、紫。「運命」の衣装。ロングスカートだが、裾が斜めに裁ち切られている。


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拍手で迎えられ、ライトが点くと同時にアコースティックギターの優しくも哀しい旋律が流れ、「Killing Me Softly」が始まる。

シンプルな衣装だが、ターンを描くたびに、裾の動きが残像を残して、優雅な印象をもたらす。ドレスのような衣装の雰囲気もあって、大人っぽく見える。続いて「pain」へ。

MC。自己紹介の後、めいてぃんから「今日はお天気の危ないところ、お越し下さってありがとうございます」と客席にお礼。今日の「運命」の衣装を着てステージに立つのは初めてだとトーク。うれしい。

次の曲を「運命」だと紹介して、ポジションに立ったところで、ひーちゃんの立ち位置が違っていたみたいで他のメンバーからら「あれれ」と指摘が入る。「ひとみの意識が遠くに行っていたみたいだけど(笑) もう戻ってきましたね。大丈夫ですね」と笑いを取りつつ、緊張をほぐす。

女子流の中でいつも完璧なパフォーマンスを見せてくれる新井ひとみが、こういう風にメンバーから年少者扱いされることがけっこうあるのが面白い。

「運命」と「Partition Love」を二曲続けて披露。「Partition Love」のサビのスカートをたくし上げる振り付け、ひーちゃんだけ全力でスカートをめくっていて、見えても大丈夫なやつだと分かっていても、ドキドキする。こういう手加減しないところ、好きだ。

MC。ゆりちゃんが「いい汗かいたねー。意外にこの曲は汗かくんですよ」というと、めいてぃんが「女子流も最初の頃は、背伸びした曲が多かったけど、このアルバムは等身大の曲が増えて・・・」とつなげる。

え?「ねぇ先生」とかそういうのが等身大なのかなと思って心配していたら、べーやまさんが「いままで以上に歌詞の意味を理解して歌えるようになりました」とひきとる。さすがのべーやまさんのMC力!

そこから「次の曲も等身大で・・・」というMCを、あぁちゃんが「(アルバムの曲順のセトリなので)みんなもう知ってるでしょ、小さな奇跡」と割って入る。そこから「はなかっぱシリーズの中では一番難しい」とか「ネットで検索したら、高速振り付けって言われてた」とか盛り上がり、最後にゆりちゃんが「みなさんも一緒に、狭いですけど、お願いだから仲良く(笑)」とまとめて、「小さな奇跡」へ。観客席も振りコピ多数。でも、サビの振りコピ、高速だから僕には追いつけない(笑)

「ちいさな奇跡」から「恋愛エチュード」「ずっと 忘れない。」を連続で。ああ、これはいいアルバムだな、世界観が統一感されていると思う。じわじわと良さが分かる。

MC。めいてぃんとあぁちゃんが舞台に残り、他の3人は袖に引っ込む。

めいてぃんが「昨日までタイに行っていたんですよ」と切り出し、あぁちゃんが相槌を打つ。ステージの両端で会話をしていた二人だが、あぁちゃんの呼びかけでセンターに集合。会話するたびにお客さんの顔が左右に動いていたからだと。さすがあぁちゃん!

めいてぃんが「タイは二回目で・・・」と話し始めたところで、黒いマントをまとった3人が登場。交替で二人が着替えに引っ込む。

「日本に帰ってきたら落ち着くね」「でも、またタイに行きタイね」「あれ、いまのダジャレ?」などとゆるいトーク。ひーちゃんからゆりちゃんに「何やってんねん!」という関西弁のツッコミも飛び出した。のびのびした女子流のMC、楽しい。

5人がマントを身につけたところで「十字架」へ。アルバムバージョンでの披露は今日が初。シングルバージョンと比べて音が少ないが、その少なさがかえって想像力を掻き立てる。じわじわメンタルにくる感じ。


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「十字架」が終わると、バサっとマントを脱ぎ捨てる。女子流の得意な早着替え。最後の曲「Mine」を披露し本編が終了した。

ここまででのアルバムのコンセプトが浮かび上がるようなステージだが、会場からのアンコールの声に応えるように、メンバーが再登場。

「運命」の衣装の上に白いシャツを重ねて、さらに白いパラソルを持って、横一線に並ぶ。「Chim Chim Cheree」を、しっとりと歌い上げる。固唾を飲んで見守る観客。そして、拍手喝采。


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続いて告知。背面のモニターに映像が流れるのを、ステージの下手に集まったメンバーが眺めながらMC。

最初はテレ朝動画「女子流♪note」の番組紹介。そして、ツアーファイナルの野音のライブのBD・DVDが10/22に発売されるという案内。

次に、12/20のワンマンコンサートについて。楽しいことをやりたい、昼夜の二回だけど二回とも違ったことやりたいので、この日は全部空けておいて欲しいと。

それから、アニメのVTRが流れ始める。タイトルは、 「ようこそ!ファミーユへ」。女の子6人と同居するというシチュエーションは、まさにギャルゲ。

このモバイルゲームをクリアすると、みゆちゃんのソロの歌が聞けるそう。先週の「小西の音楽祭」で聞いたけど、いい曲だったな。

最後の告知は、今日初めてアナウンスするという大切なもので、12/10にシングル「Say Long Goodye」をリリースすると。これは切ないバラードで、今日の公演の夜の部で初披露すると。シングルの発売は半年ぶりで両A面でカップリングに「ヒマワリと星屑」の英語版が収録されると。「海外に羽ばたいていけるよう」とめいてぃんから頼もしい言葉が聞けた。

マイクスタンドが運ばれてきて各自手のひらにヒマワリをつけ、マイクをセットすると、ひーちゃんが「いてて、肉はさんだ」と。かわいすぎる。

最後の曲はその「ヒマワリと星屑(English ver)」。ひーちゃんがサビ前で「together!(一緒に!)」と煽ったの、かっこ良かったな。さすが新井ひとみ。会場からはコールも起きて、盛り上がりを見せたエンディングになった。

女子流は、これまでに何度も海外に行っているが、英語でのパフォーマンスは海外での活動を増やすことを意識しているだろう。

女子流とドロシーでスタートするJ ーGIRL POP WAVEのプロジェクトは、国内だけでなく海外でのライブツアーも視野に入れているだろう。また、先月avexからメジャーデビューしたmImiも「アジアナンバーワンアイドルを目指す」としている。

良質なガールズポップを求める内外の楽曲派のニーズに、JーGIRL POP WAVEは応えていくことになるだろう。

夜の部で披露された「Say Long Goodbye」はその期待を確信に変えるものだった。


東京女子流 /「Say Long Goodbye (TGS44)初披露@赤坂BLITZーYouTube

冒頭のゆりちゃんのファルセットから鳥肌が立つ。その後のソロやハモりも素晴らしい。女子流は、たとえダンスがなくてボーカルだけでも、女子流の世界を見せてくれる。そんな新境地を拓くような楽曲。

この「Say Long Goodbye」やドロシーの「STARTING OVER」みたいな良質な楽曲のステージをじっくりと堪能できるイベントをJ-GIRL POP WAVEには期待している。

日本のガールズポップスの先頭に女子流が立っていくに違いないーそんな未来を予見させるような今日のステージだった。これからも、女子流の活動からは目が離せない。

おまけ。アルバム購入特典の生写真セット。

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(セットリスト)

1.Killing Me Softly
2.pain
3.運命
4.Partition Love
5.ちいさな奇跡
6.恋愛エチュード
7.ずっと 忘れない。
8.十字架(Album ver)
9.Mine
(アンコール)
en1.Chim Chim Cheree
en2.ヒマワリと星屑(English ver)