Brand New VibeのTokyo LIVE Kingdomにドロシー出演

9/6のZepp DiverCity TOKYOのワンマンライブ以降で初めてのドロシーのライブを観に、Brand New VibeのTokyo LIVE Kingdomに行った。

このイベントは、6人組のバンドBrand New Vibeの自主企画で、毎回ゲストを招いて、渋谷O-WESTで6か月連続で行われているもの。

今日は「~バイバイ僕らの王国。また会う日まで。~」というサブタイトルが付けられた最終回。ドロシーの他に、北海道出身のアカペラグループJARNZΩ(ジャーンズ)が招かれた。

気になる会場の客層だが、6割がBrand New Vibeのファンの女性、3割がドロシーファンの男性、1割がJARNZΩのファンという感じ(正確に数えていないけど)。

OPから、Brand New Vibeが司会になって盛り上げる。トークも達者で笑いも取れるし、ゲストへのリスペクトがある。下手なアイドルイベントの司会よりも聞いていて気分がいい。

最初はJARNZΩ。アカペラということだが、ボイスパーカッションや、ベースや、ギターパートも入った演奏で、聴いている限りは完全なバンドサウンド。

70年代・80年代くらいの懐かしいナンバーも演奏していて、Brand New Vibeファンや、ドロシーファンも楽しく盛り上がっていた。

メンバーの一人が「自分はGLAYが大好きで、今日仙台でライブがあるので、チケットもとって、飛行機も取ってました。でも、その後、今日のこの話を頂いて、これに出るしかないと。それくらいの覚悟で今日やりますので、みなさんもよろしくお願いします!」とMC。会場から拍手喝采。

MCで昔不登校だった自分を見守ってくれて、音楽の道を選んだことを理解してくれた両親を尊敬していると語る別のメンバー。その導入に続いて聴かせてくれたバラードは、まるでドロシーの「STARTING OVER」のように心に染みこんできた。

続いて、ドロシーの出番。Brand New Vibeがじゃんけん大会で会場を温めた後、「仙台在住のガールズユニット」という紹介に続き、「9月6日にZepp DiverCity TOKYOでのワンマンを成功させ」と説明し、自分達もZeppを目標にしている、センパイですよ、とリスペクト。「アイドル」という偏見なく、こういう風にリスペクトしてくれるのうれしい。

OPSEに続いて、Zepp DiverCityで初披露となった、白黒チェックとピンクの衣装でドロシー登場。

会場のファンの配置は、最前にドロシーファン、中央にBrand New Vibeファン、その後ろにまたドロシーファンと、前後でBran New Vibeファンを挟むようなフォーメーション。

僕は、後方の最前センターで、Brand New Vibeファンの女性達の真後ろに立つ。

「会場の雰囲気に合わせてロックな曲から始まるかな」と思っていたら、るーちゃんを中心に横一線に並んで上手を向くフォーメーション。

冒頭からキラーチューンの「恋は走りだした」来たー! オッオッオッオー! オッオッオッオー!

僕の目の前の女性達も、見よう見まねで、コールとか振りつけを始める。どうやら「アイドルのライブ」というものを楽しみたい様子。Brand New Vibeのファンの人達、なんて柔軟なんだろう!
「みーもり!みーもり!」とか一緒にやったり、落ちサビでパンケチャやったり、本当に初見とは思えない盛り上がり。うれしい。

続いてギターポップの「CLAP!CLAP!CLAP!」来た!これもフリコピがあるので、みんなで楽しめそう。2コーラス目くらいから、Brand New Vibeのファンの女性達もうさぎのポーズとかやってる! 音楽が好きなんだよね、みんな。

MC。自己紹介で「るーな!」とかのコールに一緒にコールを入れてくれるBrand New Vibe。ああ、幸せな光景。「みぽりん?みほり?」とか「真ん中の子、かわいい!」とか、いろいろな声が聞こえてくる。

佳奈ちゃんが「この後も楽しい曲をやりますので、ぜひこの辺の(と最前を指さす)人達のフリをマネして頂けるとうれしいですし、みなさんで盛り上がって頂ければと思います」とMC。うなずくBrand New Vibeファンのみなさん。

そして、女性客を意識した「STARTING OVER」へ。アイドルノリを期待していた人にはサプライズになったであろうこの曲は、フロアを静まり返らせ、やがて大きな拍手喝采が起きた。麻里ちゃんの歌い方には、いつもよりもさらに内面に潜り込むような深みがあった。

続いて「恋をしてるの きっと」へ。イントロのエアギターの振りつけとか、サビの腕を上げる振りつけとか、僕の前の女性達、ノリノリでフリコピをしている。

今日のドロシーは「脱アイドル」としてロック色を強めてきたわけではない。むしろ、かわいいアイドルなところが女性に受容されている。これがドロシーが女性ファンを増やしてブレイクする希望の道なのかもしれない。もうアイドル界隈では知名度も実力も抜群になっているが、こういう場所であれば、フロンティアが開拓できるかもしれない。

…と思っていたら、これまたエアギターの激しい振りつけのイントロで始まる「in my life, for my life」へ。Zeppのときよりも完成度を高めてきたが、ドロシーファン自身もまだどうやって盛り上げるかを考えあぐねているところなのかもしれない。

最後に「ストーリー」。最前で推しジャンをしたり、サイリウムを振ったりする姿は、Brand New Vibeのファンには新鮮に映ったみたいで、率直に言えば「ウケて」いた。ただ、馬鹿にしたり、拒絶するような姿勢は一切なかった。

ファンの歓声に送られながら、ドロシー退場。その歓声を真似るように「かなちゃーん!」「まりちゃーん!」などという黄色い声援も前方からあがっていた。

ドロシー退場後、前方から「みぽりん?みほり?」という疑問が聞こえてきたので、すかさず「みもりです!」と丁寧に教えておいた。ドロシーファンの評判に関わるからね。なんて優しいドロシーお、いや、ドロシーファン!と自画自賛。

(セットリスト)

1.恋は走りだした
2.CLAP!CLAP!CLAP!
3.STARTING OVER
4.恋をしてるの きっと
5.in my life, for my life
6.ストーリー

トリは今日のゲストBrand New Vibe。最前を熱心なファンに譲るドロシーファン。と思ったら、後で知ったのだけど、もともと最前を取っていたBrand New Familyが、ドロシーの出番のときにドロシーファンに最前を譲ってくれたらしい。なんて優しい!

Brand New Vibe、バンドは実力派だし、楽曲は実直でパワフル。途中でドラムに機材トラブルが起きていたが、急遽、ピアノ中心のバラードを演奏して時間をつなぐなど、ライブ巧者な面も垣間見ることができた。全体として真面目なところはドロシーの世界観ともよく合っていた。

最新の曲っぽい「TOKYO ZOMBIE」では、導入で小芝居があったりとか、振付けをみんなでやったりとか楽しすぎる。他の曲もコールを入れられそうなものもあり、ドロシーのファンにも「聴けば体が踊り出す」的に刺さる感じだった。

最終回ということでMCにも熱が入り、再度「いまはまだ埋められないけれども、来年の今頃にはZeppを埋められるくらいになりたい。それにはみなさんの力を借りることが必要」と言っていて、聞いている僕の方も胸が熱くなった。そして、Zeppを埋めたドロシーはすごいということを改めて実感した。

アンコール。最初は女性の声が中心でドロシーファンも雰囲気を尊重して控えめにコールしていたが、コールのテンポがばらけてきたのを受けて、ドロシーファンの某氏が仕切り直しのようにビシッと発動。

館内に「アンコール!」と叫ぶ男女の声がこだまする。

すぐにBrand New Vibeのメンバーが舞台に登場、感謝のMCの後、「TOKYO ZOMBIE」のイントロが始まる。すると、なんと、ドロシーとJARNZΩのメンバーもステージに登場。総勢17人が並ぶ圧巻の光景。

ドロシーもサビでゾンビのフリコピを。特に、みもがノリノリ。楽しすぎる。

MC。改めて、Brand New Vibeから、共演者、観客、スタッフにお礼。ドロシーの振付けに対して「あれだけよく踊れますよね、すごく練習しているでしょう」という褒め言葉も出て、JARNZΩがすかさず「恋をしてるのきっと」の振りマネを。でも、なんか変?と思っていたら、こうみんから「ちょっと違う」とダメだし。こうみんナイスツッコミ。

ということで、事前にはどんだけアウェイなイベントになるかと心配していたが、終わってみれば、ドロシーのキャラクターにマッチした良イベント。

「アイドル」とか「バンド」とかって垣根を超えて、「ドルヲタ」とか「バンギャル」って偏見を超えて、楽曲を楽しむ世界がここにはあった。

最初にドロシーが出ると知ったときには、正直言って「アウェイかも」という不安もなかったと言えば嘘になる。

でも、蓋を開けてみれば、アーティストもファンも互いに尊重しあい、皆が自然体で音楽を楽しめるイベントだった。アウェイなんてなく、誰にでもホームになる現場だった。

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終演後のドロシーの特典会。

髪型を変えたるーちゃんと佳奈ちゃんには「似合うよ」という言葉をかける。佳奈ちゃんには機先を制されて「シャープさん、髪切った?!」と言われてしまったけどね。麻里ちゃんには「STARTING OVER」の歌声のことを、みもにはゾンビの振付けのことを話す。

最後のこうみんに「こういうバンドのイベントにドロシーが出るのはいいね」と言ったところ、「これからもっと出たいと思います」とのこと。

ドロシーは、アイドル界隈では実力も知名度もファンも十分に獲得しているので、こういう楽曲派()というか、純粋な音楽好きの集まるイベントに打って出るのは良い方向ではないかと思う。



ここからは余談。

Brand New Vibeのファンの女性達も「ドロシーと握手したい」と言っていたが、特典会のレギュレーションが分かりにくかったようで、スムーズに流れに入れないようだった。実際には、CD予約で特典券入手、というレギュレーションだったが、これから先もこのようなイベントに出るのであれば、一見さんにもわかりやすい案内をするべきだし、場合によっては、こういうイベントでは女性には握手無料とかってやってもいいのかもしれない(事実、Brand New Vibeのメンバーとのハイタッチ会は無料だった)。せっかくの女性ファンを増やす機会、なんか工夫の余地があるじゃないかなと思った。

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