東京女子流の4thツアーは、松井寛によるリミックス"Royal Mirrorball Discotheque"。来月営業終了となる渋谷AXに行ってきた。
入場すると、ネオン色に輝くシンプルなセットとミラーボールが見えて高まる。ステージというよりもダンスフロアという雰囲気。
TGS00でゆったりと始まった後、ジャストなビートに乗せてほぼノンストップで歌い踊る2時間。曲と曲のつなぎも切れないようになっていて、まるでクラブのDJイベントのよう。
最初の衣装は、小西＝イエロー、山邊＝グリーン、新井＝ピンク、中江＝パープル、庄司＝スカイブルーのカラフルなもの。
メンバーのダンスのノリや、ボーカルのうねりは、ジャストなビートからはみ出しそうになろうとする瞬間があり、観客もそういうノリを求めているように感じられる瞬間があった。
MCでは、新井が高校生になったという報告がされ、会場からは「おめでとうー！」の大合唱。全員が高校生となって初めてのステージだと。全員が同じ寮に入って、朝偶然に会ったり、洗濯しに行ってあったりというエピソードも披露される。高校の入学式で新井にトラブル発生？とかいうネタも頭出しされたが、長くなりそうなのでまた別の機会にということに。
ダンスビートに乗せて、メンバーが一生懸命に歌い、踊る姿は実に眩しいものがある。
「きっと忘れない」が終わったところでステージが暗転し、４つ打ちが会場に響く。着替えているんだろうと想像していたら、予想以上に早く中央の扉から再登場。
前半とは打って変わって、黒いマントに身を包み、ゴシックな雰囲気で「十字架」を歌う。そこから「Paint in Black」「Count Three」へ。これらの曲はRoyal Mirrorball Discotheque MIXではなくて、自然なゆらぎのあるノル。松井寛の曲ではあるものの、今回のツアーのコンセプトとは毛色の違った時間帯になった。ただ、スウィングするようなジャジーなうねりが発生したことにより、観客席がぐっと沸くようになったのが明らかだった。声援の大きさ、ピンク色のペンライトの振幅、館内の温度、すべてが盛り上がりを示していた。これが後半のセトリ曲の盛り上がりの起爆剤となったように思う。
間近で各メンバーを見て強く印象に残ったのは、新井ひとみの突出した存在感。ボーカルの正確さ、ダンスのキレ、目の表現力、整ったプロポーションと、どこを取っても完璧。唯一MCがややハラハラさせる点を残して他メンバーの助けを借りていたが、それも愛嬌のうちかもしれない。まとっているオーラが別物だった。
他のメンバーについては、庄司芽生が威勢のいいMCなどで新リーダーとしての風格を見せつけ、中江友梨は観客の反応も含めてライブを楽しもうという姿勢が全身に現れていた。また、小西彩乃は艶っぽいボーカルで楽曲の表現の幅を広げ、山邊未夢はダンスでもMCでも重力を感じさせない飄々とした雰囲気で、ユニットメンバーの個性を際立させていたほか、新井のMCのサポートでも絶妙のアシストっぷりを見せた。
アンコールはトップスを「ブラック×ピンク」のツアーTシャツに着替えて登場。一曲目は「Partition Love」。この後、ツアーグッズが紹介され、テレ朝動画で女子流のレギュラー番組「女子流[note]」が始めることが告知された。初回放送は4/17ということだが、今日もカメラが入っていて高まるメンバー。庄司が一旦中座してトレーナーを着て再登場する一コマがあったが、あき竹城の物まねが堂々と披露され、「リーダーやるな」と思わされた。
最後は主演映画「5つ数えれば君の夢」のEDテーマになった「月の気まぐれ」でジャジーにしっとりとした雰囲気に包まれて終了。アンコールを複数曲演奏する場合、最後にしっとり系を持ってくるのも余韻が残っていいなと思った。
総じて、REMIXのノリが生理的に好きかどうかでライブの印象が変わる気がする。個人的には、うねりのない無機質なグルーヴは、このホールにいる観客が女子流に期待しているノリとどこまで合っているのだろうかと最後まで気になってしまった。
女子流のメンバーが盛り上げようとしている姿を見ると、そんなことを気にしているのはつまらないとも思えてきたのだけれど、目の前で繰り広げられているパフォーマンスのレベルの高さからすると、もっと場内が爆発的に盛り上がってもいいのかなと思う。
明日の公演の模様は、Ustream配信される予定。興味があれば見る価値は大いにある。
（セットリスト）
TGS00
Love like
鼓動の秘密
運命
Rock
ふたりきり
Bad Flower
Get The Star
Unlimited addiction
Mine
Liar
追憶
Sparkle
月とサヨウナラ
きっと忘れない
Last
十字架
Paint in Black
Count Three
ヒマワリ
GIS
おんなじキモチ
キラリ☆
(en)
Partition Love
月の気まぐれ
