積雪の予報は国民に迷惑をかけたのか

果たして、気象庁は国民に迷惑をかけたのだろうか。

大雪のはずが…「国民に迷惑かけた」予報外れ気象庁

発達した低気圧と寒気の影響で6日、関東地方をはじめとした太平洋側では広い範囲で雪となった。しかし降雪量は軒並み少なく、気象庁が予報していた「大雪」には遠く及ばない結果に。同庁は首都圏が大雪に見舞われた1月14日も「雪が積もる可能性は少ない」として予報を外した前例があっただけに、担当者は「国民のみなさまに迷惑をかけた」としている。
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気象庁は、1月14日の場合は、「雪が積もる可能性は少ない」という予報を発表し、結果的に外した。その結果、雪対策を十分に行わないこともあって、交通手段が麻痺したりした。これに関しては、気象庁の予報が降雪について楽観的であった結果、国民に迷惑をかけたと言えなくもない。

だが、2月6日の場合はどうか。「雪が積もるかもしれない」と予報したのが外れたことで、気象庁は国民にどのような迷惑をかけたのだろうか。考えられるとすれば、鉄道会社がダイヤを間引き運転したことで、列車が混雑したり、遅延したりしたことだろう。だが、それはあくまで鉄道会社の判断によるものである。気象庁が直接に責任を追うものではない。

将来予想というものは、100%の精度で行うことができないものである以上、「外れる」ことが避けられない。外れることが許されないのであれば、そのようなものをわざわざ予想する人はいなくなるだろう。

では、大雪が積もる可能性がそれなりにあるときにどのように予想を発表すべきだろうか。「大雪は積もらないと予想して、外れてしまう」1月14日のような誤りと、「大雪が積もる可能性が高いと予想し、外れてしまう」という2月6日のような誤りとでは、前者の方が罪が重い。となると、保守的に予想して警戒を促す方が、全体としては合理的なように思われる。

マスコミは、単に予報が外れたことをもって批判するのではなく、100%の精度の予想はできないということを理解した上で、どちらの方向外れたのかをきちんと踏まえた議論を行うべきではないかと思う。そして、今回のダイヤの乱れの責任は鉄道会社にあるので、交通手段の乱れを非難するのであれば、何があったのかという検証を含めて、きちんと取材すべきではないかと思う。