水曜日のカンパネラ@MUSHIFEST2013 渋谷CYCLONE & GARRET

彼女はビールを飲んだ。
僕もビールを飲んだ。
「鹿は嫌い?」と彼女が訊ねた。
「鹿は好きだよ」と僕は言った。
「それなら鹿の解体を見に来ない?」
「鹿の解体?」
「私、鹿の解体にはちょっと自信があるの」と彼女は言った。

いまの僕はいささかコムアイに惹かれている。だから、水曜日のカンパネラのパフォーマンスを見るためだけに、MUSHIFEST2013に行った。

まずはステージが始まる前に物販でコムアイと話す。
「渋谷女子音楽会行きました。凄く良かったです。」と僕は言った。
真顔で「なんで終わった後話しに来てくれなかったんですか?」とコムアイ。
これはやばい。
CD2枚とTシャツを購入。その場でサインを入れてもらう。宝物だ。

ライブが始まる。コムアイはステージ衣裳のアオザイに裸足で登場。いつものように一人でステージに上がり、マックを操作してバックトラックを流し始める。ゆらゆらと揺れたり飛んだしているコムアイ。その表情は、ときに狂気が宿っているように、ときに恍惚としているように見える

1曲目は「モスラ」。真っ暗な照明の中で懐中電灯で顔を下から照らすパフォーマンス。最初は驚いたが、今回は病みつきになってきそうな快感。

2曲目は「マリー・アントワネット」。今一番好きな曲の一つ。「お菓子を食べればいいじゃなーい!」の決め台詞を合図に、ブルボンのお菓子を配り始める。いや、むしろ、投げ始めるという方が正確だろう。

3曲目は「星一徹」。振付けのレッスン後、本編開始。サビの「ちゃぶ台返し」のところでまたステージから降りてきて、聴衆と一緒にちゃぶ台(ミニチュア)をひっくり返す。

4曲目は最新曲「ミツコ(セーラー服ver.)」。「ソーセー、ジー!」とか盛り上がりどころの多い曲だが、一番気になるのは「こちらは魔女っ子クラブです」のくだり。あの辺の醸し出すいかがわしい雰囲気がいい。

最後の最後になってMCで「水曜日のカンパネラでした。あ、今日初めて名前言ったかもしれない。水曜日のカンパネラでした」と自己紹介。クールで、ステージでの度胸も抜群。なのに、ちょっとドジっ子。そんなところも彼女の魅力。MCで言っていた元ネタになっている園子温の『恋の罪』見なくちゃ。

ということで、ライブを観終わった僕はこんな風に言いたくなる。

「コムアイさん、朝だ」と。