同じように「完璧なイヤフォン」などといったものは存在しない。と僕は思う。
まず、聴くソースが人によって千差万別だ。クラシックなのか、ボーカル中心のポップスなのか、低音の強調されたダンスミュージックなのか。
また、聴く人によって好みが違ってくる。低音と高音を重視したドンシャリなのか、全域のバランスを保つのか。はたまた、すっきりと音を分解するモニタータイプがいいのか、それとも雰囲気を出す方がいいのか。
バージョンアップしたbeats by dr.dre BT IN TOUR V2は、明確に低域重視のモデルだ。ダイナミック密閉型のカナル型。バスドラの音は耳小骨にまで響いてきそうだし、ベースは耳を澄ますまでもなく前面に出てくる。Perfumeの「LEVEL3」のような最新型のEDMサウンドを鳴らすと、まるでクラブのフロアにいるような臨場感で重低音が迫ってくる。
一方で、中音部や高音部の出方は控えめ。なので、通常の音量でポップスを聴くとボーカルがやや遠目に感じるかもしれない。
しかし、音量をやや高めに上げて聴いてみる。なんということでしょう。低音が決して割れることなく、中広域が自然に前に出てくるではありませんか。そう。このモデルはある程度大き目の音量で再生することで、はじめて全体のバランスがきちんと取れるという性質を持っているようだ。良いスピーカーのように「きちんと鳴らす」ことを前提に設計されているというべきか。
ということで、大き目の音量でNegicco「Melody Palette」を聴くと、ベースが強調されつつも、Nao☆、Megu、Kaedeのそれぞれの発声法の特徴がはっきりと分かるくらいに、耳元で再現される。ちょっと生々しいくらいに。
音量を上げるのは気を遣うこともあるが、カナル型なので音漏れはほとんどない。電車の中で騒音に負けないようにボリュームを上げて使うことを想定すると、ある程度の音量できちんと鳴るという再生特性は実に好ましい。
さらに、iPhone対応なので、ハンズフリー通話用のマイクとボリューム操作用のコントローラーが組み込まれている。つまり、純正イヤフォンから変えても機能が落ちることはない。
惜しむらくは、色が黒×赤のみになってしまったようで、V2になる前のモデルの白×赤を狙っていた僕にとっては残念。だが、外見で音が変わるわけではないのでそこは不問にしよう。
あとは、コードが平型になっていて絡みにくいのも携帯するのには良い。専用ケースも付いている。
ということで、このイヤフォンを買って幸せになれるのは、
- 低音重視
- iPhoneユーザー
- 大き目の音量で聴く
ということになるだろう。いまの自分にはぴったりだ。
beats tour イヤフォン ブラックカラー BT IN TOUR V2 BLK
- 出版社/メーカー: beats by dr.dre
- 発売日: 2013/09/26
- メディア: エレクトロニクス
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