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finalvent『考える生き方』を読んで考えた

書籍

"advent"はキリスト降臨のこと。だが、"finalvent"と聞くと、どうしても『仮面ライダー龍騎』の必殺技カードを思い出してしまう。闘え、闘えと、神崎史郎の声がする。

さて、そんな龍騎と関係するのかどうか分からないが、高名なブロガーのfinalvent氏の『考える生き方』を読んだ。

世に名高いブロガーの書くものというと、どうしても「世界はこんなに広い」「将来はこうなる」みたいな視点から現在の日本を批判するようなものをイメージしがちだが、finalvent氏の著書はまったく違っている。

大所高所からの抽象論とはまったく正反対で、いかにして自分という個人が生きてきたかという赤裸々なまでに具体的なものとなっている。

章立てはこんな感じ。

第1章 社会に出て考えたこと
第2章 家族をもって考えたこと
第3章 沖縄で考えたこと
第4章 病気になって考えたこと
第5章 勉強して考えたこと
第6章 年を取って考えたこと

学業、就職、結婚、移住、病気、そして老い。だれにとっても無縁ではない、そして、多くの人にとってなかなか上手くいかないイベントに、氏がどのように向き合ってきたのかが語られる。

嘘っぽさもなく、自己正当化もなく、あまりに真摯。夏目漱石が自我の苦悩の軌跡を数多くの小説に残したように、finalvent氏は生きていく悩みをこの『考える生き方』に記した言えるだろう。

考えずに生きていけるような人生があれば、それはそれで幸せなことなのかもしれない。だが、多くの人の人生はなかなか上手くいかない。きっとみんな同じだと思う。でも元気出して生きていくためには、やはり考えるしかない。

考えて生きていくことで、きっと僕らは何かを見つけるだろう。しれが行き付く先は「悟り」と呼ばれる境地なのかもしれない。あるいは、漱石の言う「則天去私」ということなのかもしれない。そうえいえば漱石も大病を経験していた。これは偶然なのだろうか。いや、きっと病が切り開く境地があるのだろうと思う。たとえば、自らの儚さを知ることもあるかもしれない。

僕がその境地に行くのは、まだまだ先のことかもしれない。あるいは、もうすぐかもしれない。それは分からない。だが、人生の先の短さを知ったときに、自らの生き様の空虚さに茫然としたくはない。だから、考えていくしかないのだろう。

考える生き方

考える生き方

考える生き方

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