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GR実機触ってきた

GRの実機を見てきた。

センサーの大型化にもかかわらず、重さ・厚みはよく抑えられている。操作性も従来のGRDの延長線上にあり問題ない。

だが、ボディの作りにコストダウンを感じさせる。初代GRDにあったような凝縮した塊のような感じは皆無。つなぎ目の精度が低かったり、ボタンやダイヤルの感触が頼りなかったり。中国製というのは、初代GRDから変わらないのだけれども。

RICOHのデジカメの場合、初期に不具合が発生することが多い。自分の場合には、銀座のサービスセンターまで何度か足を運んで完成度を高めた。GRDでもGXRでも。中国工場の工作精度の低さを、日本の熟練の職人が調整する。そんなカメラだ。

これは特殊なことだと思う。誰もが銀座に足繁く通えるわけではない。たとえそれが苦にならなくても、海外に出発する前日に修理が終わったりということもあり、心臓にもよくない。RICOHへの愛がないととてもじゃないが、やっていられない。

今回、GRの実機に触れて、「悪くない」と思う反面、「それほど良くもない」という印象を拭えなかった。例によって、この薄さに収めるために、レンズを分割格納しているのだが、その精度も心配である。CXクラスの場合、見るからに分割格納の精度が低く、片ボケや全ボケも発生していた。まさか、8万円台のカメラでそれはないと信じたいが、あの筐体の組立精度を見るに、安心はできない。

ボディの起動、AF速度等はまず許容範囲。リコーお得意の1㎝マクロはこのセンサーサイズでは不可能で、最短はマクロモードで10cm。まあ、利用目的にあったカメラを選びましょうということで、1cmマクロで撮りたいなら他のセンサーサイズの小さいコンデジを選ぶべきということだ。

肝心の写りは、これまたいつものRICOHの絵作り。素直な絵。湾曲がなく、周辺まできちんと描写するので、建築向けだと思う。だが、風景や人物では、もう少し「深み」が欲しくなるだろうと想像される。RICOHはそこがいいのだという意見もあるだろうけれども。

個人的には、この内容であれば、いまの値段(9万円手前)で飛びつく気にはなれない。GRD使いにとっては良くも悪くも裏切られることのないカメラだが、それゆえに、背中を押されるものがない。また「これなら、いままで撮ったことのない写真が撮れそうだ」という気分にもならない。一言でいえば、どうにも「そそられない」感じだ。

むしろ、よくできた道具のバージョンアップだと考えるべきなんだろう。とすると、プレミアムの剥落した7万円くらいの値段なら買い、というような商品ではないか。現在の値段ではいったん見送りにしておこうと思う。

以下は蛇足。

同時に見てきたライバル機のニコンcoolpix A。カタログのサンプル写真の描写は魅力的だったが、道具としては落第点。露出補正をするのに両手を使う必要があるなど論外。デザインも洗練されていない。というか、スペック優先の開発でデザイナーに仕事をする余地がなかったのかと思わせる代物。いくら「日本製」でも、設計がだめなものは、工業製品としては良い点はつけられない。

また、MX-1も見てきた。こちらは逆にデザイン優先のモデル。だが、サイズの割に厚さが突出していて、コンデジというカテゴリの中では相当にかさばる部類。デザインに機能の上での必然性があればよいのだが、単なるレトロ志向のようで良さが理解できなかった。

富士フィルムのX100sはレスポンスの向上が著しいが、スナップカメラとしては換算35㎜というレンズはやはり狭い。GRやcoolpix Aと比較すると余計にそのことが目につく。

ちなみに、オリンパスのXZ-2は、現在のXZ-1使いからすると、厚さと重さが許容範囲を超えてしまった。いくら性能が向上していても、携帯性の犠牲が著しく、これもスナップカメラとしては微妙な評価にならざるをえない。

ということで、消去法では富士フィルムのX20が良さそうであったが、これもどうしても欲しくなるようなオーラを纏っている製品ではなかった。