傑作ではあるが―『スター・トレックVIII ファーストコンタクト』

スター・トレックVIII ファーストコンタクト』を観た。

1996年公開作品ということで、SFX/CGのレベルはぐっと上がっている。また、「最強の敵」とされるボーグの強さが前面に出ていて、最後まで手に汗握る展開が続く。

船長のピカードも、終始毅然としたリーダーシップを示しながらも、ときにボーグに対する私怨を隠し切れない人間臭さを垣間見せたりしていて、実に魅力的。

前作では新旧交代劇があったがゆえに焦点がぼけてしまった『新スター・トレック』ならではの魅力が、この作品には凝縮されている。傑作だと思う。

ただし、この『新スター・トレック』のキャラを以前と同じように魅力的に感じられるかと聞かれたら、個人的には「難しい」と答えざるを得ない。それくらい、カーク、スポック、マッコイ、スコット、ウフーラ、スールー、チェコフという旧作レギュラーはキャラが立っていて、お互いのバランスも絶妙だった。J・J・エイブラムスの手によってリメイクされるのが旧作の方だったというのも納得がいく。

本作はストーリーとしては傑作ではあるが、それゆえに、かえって登場人物達のキャラの弱さを感じさせるものになっている。

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