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これは恋ではないとしても―『青い花』Blu-ray BOX発売

これは恋ではなくて ただの痛み
抱きあうたび ひどく痺れるよう
(「これは恋ではない」ピチカートファイブ

人は孤独と不安を埋めるために何かを求める。それが何かは人それぞれ。家族。異性。同性。禁断の果実。あるいは宗教。

志村貴子の描く『青い花』では、登場人物がそれぞれに何かを求め、ときに苦しみ、ときに満たされる。主人公のあーちゃんと、幼馴染のふみちゃんの、女性同士の二人の関係の行方はどこにたどり着くのか。エンディングに近づきつつある原作コミックでもまだ予断を許さない。

カサヰケンイチが監督を務めたアニメ版『青い花』は、そんな二人が高校生になって再会し、紆余曲折を得て、互いを理解し合うところで終わる。原作からすれば序盤とでも言うべきだが、全11話の構成には過不足なく、最終話のエピソードから得られる幸福感は特筆すべきもの。

商業的には不遇の憂き目にあっていて、DVDは売れないうちに廃盤となった。それがかえってプレミアム価格になるという皮肉な状態だったのだが、ようやくBlu-ray BOXが発売になる。中古のDVDセットを買うよりも安価で、志村貴子の書下ろしBOX他の特典が満載。これは買うしかない。いつまた絶版になるか分からないし。

コミック連載が未完の段階でアニメ化され、初期のエピソードできれいにまとめたという点では、相田裕の『GUNSLINGER GIRL』と並ぶ傑作。2期の制作を求める声もあるが、アニメ版の『GUNSLINGER GIRL』の2期が残念な結果に終わったことを思えば、『青い花』についても1期だけで良いのだと自分を納得させよう。

たとえ、原作コミックであーちゃんとふみちゃんの辿り着くところが「これは恋ではない」という地点であったとしても、アニメ版の価値をいささかも減じるものではないのだから。

青い花 Blu-ray BOX

青い花 Blu-ray BOX