ベストキャスト―劇団四季『オペラ座の怪人』

オペラ座の怪人』は好きな演目の一つ。よく観に行っているつもりだが、調べてみると、去年観たのはロンドンのウェストエンドだった。劇団四季のを観るのは2011年11月以来、1年半ぶり。

前回鑑賞時のエントリ(ファントムが帰ってきた―劇団四季『オペラ座の怪人』 - SHARPのアンシャープ日記)では、「苫田亜沙子のクリスティーヌを観てみたい」と書いたが、今回、苫田クリスが登板ということで、当日券を確保してマチネに足を運ぶ。キャスティングは以下の通り。

オペラ座の怪人:高井治
クリスティーヌ・ダーエ:苫田亜沙子
ラウル・シャニュイ子爵:鈴木涼太
カルロッタ・ジュディチェルリ:河村彩
メグ・ジリー:小林由希子
マダム・ジリー:戸田愛子
ムッシュー・アンドレ:増田守人
ムッシュー・フィルマン:青木 朗
ウバルド・ピアンジ:永井崇多宏

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(PHOTO:シャープ、CAMERA:OLYMPUS XZ-1)

高井ファントムは鉄板。いまやこの人でないと違和感を感じてしまうくらいのはまり役。催眠術にかけられてしまいそうなうっとりするような美声。涼太ラウルは、育ちのよいイケメン。歌も演技もぐいぐい押してくることはなく、そっと寄り添うような優しさ。


そして、自分的目玉キャストのの苫田クリス。高音の伸びは、すでに退団した沼尾みゆき直伝を思わせる美しさ。そして、情感のある演技。彼女の演じる『ウィキッド』のグリンダでも、『夢から醒めた夢』のマコでも感じられたが、包容力を感じさせる女性らしいクリス。彼女の「Think of Me」を鑑賞できて、もう思い残すことはない。そして、終始2階席からオペラグラスでガン見している俺は紛れもない苫子ヲタ。

クリスティーヌは、ファントムとラウルの間で揺れ動くので、その揺れ具合に役者の表現の個性が出るのだが、苫田クリスは、割とラウル寄りにラブラブのように見えた。『ドンファンの勝利』でファントムが「All I ask of you」を朗朗と歌い上げているときにもうっとりすることはあまりなく、割と醒めた表現でマスクを剥ぎ取る。ラスト近辺も同じ。まあ、涼太ラウルならしょうがないようね、という観方もあるが…

いずれにしても、この3人は現在の劇団四季版『オペラ座の怪人』のベストキャストではないかと思う。6月15日に東京公演が千秋楽を迎える予定だが、その前にこのキャストで鑑賞できてよかった。

次は「海」では何を上演するのだろうか。個人的には『ウィキッド』の帰還を希望。そして、苫子グリンダだといいな。

おまけ。ロビーにあった砂糖でできたオペラ座。
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(PHOTO:シャープ、CAMERA:OLYMPUS XZ-1)