EOSシステムの方向性

EOS6DのセットレンズとなるEF 24-70mm F4 L IS USMが12月に発売になると発表され、同時にEF35mm F2 IS USMの発売もアナウンスされた。

EFの広角単焦点は古い設計のものが多く、リニューアルが期待されていた。今回35mmF2に手を付けたのは、APS-Cでほぼ標準レンズとなり、フルサイズでも常用される焦点だからだろう。USM搭載とフルタイムマニュアル化は、期待に応えるものであると言える。

だが、IS搭載は頂けない。光学系が複雑になることで単焦点の描写の良さをスポイルする可能性がある。加えて、重くなり、値段も高くなる。気軽に「スナップレンズ」として使うのはISなど必要ないのだ。

最近のキヤノンの新商品には、「高い付加価値のものを高い値段で売ろう」というのが過ぎるあまり、「バリューフォーマネー」の観点で、市場ニーズと微妙にずれているのを感じる。EOS 5DMKIIIしかり、EOS Mしかり、今回のEF35mmF2 IS USMしかり。

キヤノンのEOSは、汎用性も完成度も高いシステムであるが、新商品の方向性に納得できないところが増えてきている。かわりに、わくわくするようなところがあるかというと、個人的にはそれも厳しいと感じてしまう。さて、どうしようか。