『緒川たまきのまたたび紀行―ブルガリア篇』

緒川たまきのまたたび紀行―ブルガリア篇』を眺めていると、ブルガリアのバラの美しさと、緒川たまきの文章の味わいに癒される。もう14年も前の本なのに。フィルムで撮られた写真の懐かしい雰囲気も現在では得難いものだ。

ここでの緒川たまきは、被写体として魅力的であることはもちろん、むしろブルガリアを旅するものとしての意識や視点が面白い。彼女自身も、ライカフレックスSLを手に撮影していることが分かる。オーセンティック。本当によいものは、流行の波に流されることなく、時代を越える。決して古くなることはない。

編集はロッキンオン時代の斎藤まこと。いい仕事するなあ。その彼がspoonでたびたび取り上げるのが、早見あかりや二階堂ふみ。女性観の根底に同じものが流れていると感じる。

緒川たまきのまたたび紀行―ブルガリア篇

緒川たまきのまたたび紀行―ブルガリア篇