プリンター複合機を買い替え

約5年使ったキヤノンPIXUS MP810だが、用紙送り部分に不具合が生じたり、後付け無線LANが故障したりと限界になっていたので、最新機種に買い替えた。

フィルムスキャンは必要ないということで、ハイエンドのMG8230ではなく、その下のラインナップのMG6230を選択。これより下の機種になるとインクが6色ではなくて5色、4色となり仕上がりに不安が残るため検討対象から外した。ボディは、黒・白・ブロンズが選べるということだったので、他機種にはない白を選択。値段はAmazonで15,900円。

5年前にMP810を買ったときは約3万円。それでも、プリンターとスキャナーの2台体制からの移行だったので「1台にまとまって3万円」というのは安く感じたものだ。当時はこれに後付け無線LANが約2万円。合計5万円のシステムだったものが、いまや15,900円だから十分に安くなったものだと思う。箱を見るとタイ製。キヤノン複合機の主力機種をここまで安価で供給できるとなると、もうバンコクの洪水の影響は一服したのかもしれない。

ところが、安いとばかり喜んでもいられないところも。それはインク代。新型インクのBCI-325とBCI-326は、MP810で使っていたBCI-7eとBCI-9BKと比べると、値段が上がっている。しかも、カートリッジが小ぶりになり容量が減っているほか、ケースが透明でなくなっていて中身が見えない。要は複合機が安いのには「本体を安くして消耗品で儲けるビジネスモデルが徹底された」という事情がありありと見てとれる。

今後のBCI-325と326の6色セットは実売4,315円。インクの消耗は早いという評判。確かに小型化された分、容量は減っているのだろう。インクが4巡すると本体価格を超えるということになるのはなかなか凄い。ここまで純正インクの値段が高いと、逆にサードパーティ製に流れるのではないだろうか。Amazonでも「互換インク」の6色セットが675円と純正品の7分の1の値段で売られている。

この価格差を見ると、キヤノンは純正品インクの値段を高くしすぎてしまったのではないかと思う。禁止的に高い、とまでは言わないが、ここまでの値段の差があると、逆に多くのユーザーは互換品に行ってしまい、高価な純正品を買うのは情報弱者だけになってしまうのではないだろうか。

こうしたユーザーの流れに対して、キヤノンは互換品の利用が本体の機能を損なうと主張するほか、外部の検証機関によるレポートを掲載し、純正品の利用を強く勧めている。レポートの詳細を見ると、互換品の場合には、インクの量のばらつきが大きく、まれに接触部の不具合による動作不良が起きることが示されている。要するに、純正の方が品質管理がきちんとできているということだ。まあ、それはそうだろう。

それなら、インクカートリッジ本体はキヤノンの純正のもの使い続け、インクのみを補充できないかと考える人が当然出てくる。これは「インクの詰め替え」という作業が生じる分ハードルは高いが、カートリッジ自体の精度はキヤノンクオリティなので、不具合発生の懸念は少ないはずだ。ひとつだけ手当てが必要であるとすれば、カートリッジの容量情報を保持しているICチップを、インクの再充填に伴ってリセットすることくらいか。もちろん、市販の詰め替え用インクには、ICリセット用の機材まで含まれている。これで6色・5回分のセットが4,363円。純正品との値段を単純に比べると約5分の1。手間がかかる点は考慮に入れるべきだが、純正品を買い換えるよりもずっと安く、精度の怪しい互換カートリッジを使うことによる不具合発生のリスクも回避できる。コスト、リスク、手間を総合的に考えると、この補充スタイルが最も良さそうに思われる。

とまあいろいろと書いたが、無線LAN接続の複合機本体が15,900円というのは十分に安いと思われ、買い替え自体には満足している。

以下は蛇足。MP810を買ったときには、山田優蒼井優夏帆の三姉妹がイメージキャラクターだった。何とも雰囲気の似ていない不思議な三姉妹だなと思いつつ、次女である蒼井、じゃなかった、MP810を選んだわけだが、現在のイメージキャラクターは、岡田将生芦田愛菜。ともに優れた役者だとは思うが、組み合わせからまったく世界の広がりも相乗効果もストーリーも感じられない二人だなと思う。人気のあるタレントを後付けで寄せ集めているようで、商品イメージと結びつけるのがキヤノンはどうも上手くない。