色彩に入り込む―藤ちょこ個展

中野「pixiv Zingaro」で開催中の藤ちょこ個展を鑑賞。

公式サイト:藤色 Fuji Shiki 2012 ―画に虹を宿らせて。― | pixiv Zingaro

彼女の個性は、作品世界や、絵のラインよりも、むしろ「色彩」にあると思われる。まるで虹を見ているかのように、世界の光が要素に還元されたような色。眺めていると奥深さを感じて世界に入り込んでいくような気がした

今回出展されている中では、『1946年、春。』が好きだ。終戦後の初めての春。3人の女学生と、1人の遺影。セーラー服とかメガネという基本アイテムはおさえつつ、桜の色が美しい。

「個展限定エディション(各3点)」なるものも販売されているが、「価格要相談(完全受注制作)」となっていて、誰に何をどう相談したらよいかわからず。「絵師100人展」なんかの場合は、価格も納期も明示してあったので、オタク向けビジネスとするにはまだ詰めが甘いと思った。カイカイキキは「誰に絵を売るか」を考えてビジネスモデルを見直した方がいいかもしれない。自分の場合には「ポストカード5枚セット(お好きな組み合わせ)・840円」に支照準を絞り、『1946年、春。』を含む5枚をじっくりと選んでお土産にする。

この個展を見に、台湾から来日したファンもいるということで、藤ちょこの知名度の高さが伺える。中野ブロードウェイ2階で入場無料なので、まんだらけに行く用事があれば、気軽に立ち寄ることもできるだろう。3月20日まで。