ふたたび京都なう、あるいは三連発+三連発

天気が悪くなりそうな朝。まず朝食を取りにイノダコーヒー本店へ。少しの順番待ちの後、「京の朝食」を取る。フルーツジュース、スクランブルエッグ、サラダ、ハム、オレンジ、クロワッサン、そして砂糖とクリームの入ったコーヒー。なんだか元気が出てきた。

寺町通りから京阪三条駅に向かう。途中でスマート珈琲店を横目にチェック。満席のようだ。京阪三条から出町で叡山電車に乗り換える。2両編成のワンマン。京都市内にいるのにまるでローカル線の旅に来たようだ。

30分で終点鞍馬山へ。標高が少し高いけど、紅葉はまだこれから。ケーブルカーに乗ってまずは多宝塔へ。

そこからしばらく歩いて本堂に行く。ローカル線の旅どころか、軽いハイキング気分。眺めもいい。遠くに比叡山が見える。空気も澄んでいておいしい。京都に観光旅行に来たとは思えない。まるで郊外への旅。

と、ここでポツリと雨が。ほんの小雨だけれど、山の天気は変わりやすい。ハイキングを極めるならここで貴船神社を目指すというルートもあるようだが、今回はそれはせず。ケーブルカーで下山し、叡山電車に乗る。修学院か一乗寺あたりで折りたたみ傘を買おうと決める。修学院に着く手前で駅前にセブンイレブンがあることを発見。さっと降りる。

ここからは詩仙堂を目指して歩く。結構あるな。やっぱり一乗寺駅の方がよかったかもしれないと思い始める頃に分岐路に到着。詩仙堂は庭はきれいにできているけれども、なんというか「よくできたゲストルーム」という気がしないでもない。で、隣にある圓光寺も見ようかと思って移動するが、紅葉も始まっていないし、雨も降ってきたのでやめる。バスに乗る途中、宮本武蔵で有名な一乗寺下り松を眺める。何の感慨も起きない。もしかして、疲れてきたのか。

こんなときは神社仏閣から離れるに限る。まずは京大に向かってテンションを上げるんだ。その前に、山歩きの疲れを癒すカフェで作戦会議。一人だけの作戦会議。進々堂にて。大きな四角いテーブル。お客さんはほとんど男性。しかも年齢高め。だが、なぜか落ち着く。音楽はないけれども、適度な話し声と、適度な生活雑音。これは良い店だ。

さて、充電した後で、京都大学へ。ああ、この威圧感のなさ、こじんまりとしたキャンパス、そしておしゃれとは遠いところにある雰囲気。何もかもが心地良い。学園祭の立て看板なんかをチェックしつつ、通り抜ける。少し元気になってきたようだ。

雨もしとしと降ってきたので、美術館に向かう。
京都市美術館「ワシントン・ナショナル・ギャラリー」。

京都国立近代美術館(本日は常設展のみにて無料)。

細見美術館「典雅なる御装束-宮廷のオートクチュール-」。

それぞれに見所がある。いずれも徒歩で回れる集積度。

休憩のため、またしてもカフェに。スフレで有名な六盛茶亭を通りすぎる。ここはデートスポットだ。その先のラ・ヴァチュールに入る。落ち着く。というか、周囲もみな落ち着いている。スーツ姿の「できるお姉さん」も、銀髪の上品そうな「マダム」も、一人でゆったりとした時間を過ごしている。ウェイトレスさんは、いまや貴重なオリーブ少女のようだ。僕も長居しよう。名物のタルトタタンでおなかいっぱいだけど。


最後の夜に、僕が選んだのは高台寺。ライトアップで有名なところ。ここは実にフォトジェニック。むしろ夜にくるべきだろう。誰がデザインしたのか相当美しいライトアップだ。

ということで、ハイキングから始まった一日だが、雨になったので、美術館三連発・カフェ三連発を堪能するプランに変更。夜はお寺のライトアップも撮れた。もう京都でやり残したことはない。明日は神戸ビエンナーレに行く。