「モダン・アート,アメリカン」@国立新美術館

「モダン・アート,アメリカン ―珠玉のフィリップス・コレクション―珠玉のフィリップス・コレクション―」を国立新美術館に見に行った。

公式サイト:アメリカ初の近代美術館【フィリップス・コレクション】に癒されて

かつて新興国だったアメリカ。西欧の影響が強いながらも独自の文化を築いていく過程がこの展覧会に示されている。それは田園風景であったり、移民であったり、都市化であったり。

フィリップス・コレクション自体が、製鉄で財を成したフィリップス家のコレクションを基にしたアメリカで最初の近代美術館ということで、まさに現代アメリカを象徴するような存在だ。

だが「モダン・アート」という名前の割には、20世紀初頭までの作品が中心であり、目玉となるのはジョージア・オキーフエドワード・ホッパーということになろう。両者のいずれかが好きなら楽しい時間を過ごせるが、そうでないとちょっと茫洋とした印象になるかもしれない。アメリカのモダンアートが面白くなるのはこの時代の後からだからだ。

ただ、ことほどさように茫洋としたアメリカの絵画について、体系的かつ網羅的なコレクションを試み、きちんとした評価を確立しようとしたフィリップスの意図は見て取れる。

個人的には公式サイトがものすごく良く出来ていると思うので、時間のない人には、ネット上での鑑賞もお勧め。もちろん、時間のある人には、会場に足を運ぶ価値があるだけの展覧会だと思う。