オリンパスで何が起きているのか

一言で言えば、粉飾による株価維持、被買収防止を狙ったのだろう。

イギリス人社長の解任をきっかけに株価が急落した精密機器メーカーのオリンパスは、解任された前社長が、不明朗と指摘している過去の買収案件などを調査する第3者委員会を設立すると発表した。

PENシリーズが人気といっても、激戦のデジカメ事業でそれほど収益が上がるはずもない。PENのモデルチェンジやラインナップの混乱を考えれば、プロダクトミックスやモデルライフサイクルに関する戦略が欠如していたことは明らかだ。そして、PENが出る前はもっと悲惨だったはずだ。積もり積もった損失をM&Aの体裁でまぶしたのだろう。

となると、オリンパスのバランスシートの無形固定資産は全額粉飾を疑うべきだ。その場合、暴落したいまの株価でも安すぎることはない。それにこんなにコーポレートガバナンスの効いていない会社は、その分のディスカウントは当然。

誰の入れ知恵なのか分からないが、これをやっては上場企業としては終わりだ。結局のところ、どこかに買収されるというオチになりそうな気がする。