ニコール・キッドマンの頂点―『ムーラン・ルージュ』

ムーラン・ルージュ』のBDを観た。赤と青の色彩が強烈。そして、DVDで味わえない解像度と深み。バズ・ラーマン監督は『ロミオ+ジュリエット』でも独特の映像センスを見せてくれていたが、この作品はさらに磨きがかかった感じ。そして、ミュージカル仕立ての音楽を5.1chで味わうと、まるで劇場にいるかのようだ。

ストーリーはやや俗っぽいが、主演のニコール・キッドマンの美しさは半端ではない。ほかの作品と比べてもひときわ輝いている。彼女の美しさの頂点となる作品かもしれない。一方、相方のユアン・マクレガーは完全に押されている。いや、まあそういう役どころなのだろうけど。二人の歌声も吹き替えなしということで、これも聴きどころ。ユアンのちょっと弱いが誠実そうなテノールもよし、ノコールのはかなげだが伸びのあるソプラノもよし。しかし、19世紀設定で、ビートルズとかエルトン・ジョンとか歌ってめちゃくちゃだな(良い意味で)。

BDの長所が精彩な映像と迫力ある音響にあるとすると、戦争映画やSF映画がリファレンスソフトとして選ばれることが多いのだが、恋愛・ヒューマンドラマのジャンルに属する貴重な一品。ミュージカル嫌いでなければぜひ。

ムーラン・ルージュ [Blu-ray]

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