割高なディズニーのアトラクション〜『トロン レガシー』

3D IMAXで『トロン レガシー』を観た。以下ネタバレ。

トロン:レガシー | TRON:LEGACY | ディズニー映画/DVD

ネタバレと言っても、リアルな社会に馴染めない息子が電脳空間に入ってゲームを実体験し、行方不明になった父親と再会して、敵を倒してリアルの世界に戻って、ビジネスをちゃんとやろうと思いました、という、まあそれだけの話。

ストーリーは子供にも分かる程度のもので、男の子版『アリス・イン・ワンダーランド』とも言えるし、まあ、どちらかといえば形だけのもので、あってないようなもの。

3Dは電脳空間の中だけのものだが、さすがに力が入っているだけあって美しかった。CGも多様されていたと思うが、闇の中に光が浮かび上がる様がなかなかクールだった。まあ、でも『マトリックス』と比べて10年間の進歩がどこにあるのかという気もした。マニア垂涎というような凝った感じはしない。ただ、女性キャラのコスチュームだけはエヴァのプラグスーツみたいでなかなか良かった。特に白いキャラは綾波を彷彿とさせた。

しかし、問題なのは演出がいまひとつだったこと。プロットをつないだだけのお約束の展開は、ただでさえ先が見えてしまうのだが、最後のドッグファイトの場面は、空を飛んで戦っているという緊迫感がなかった。手に汗握る感じが皆無。子供向けだからとデチューンしているのかと疑わせる出来。最近BDがリリースされた『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に負けているというのはどういうことか。

まあ、これは映画というよりも、ディズニーの新しいアトラクションというべきなんだろう。それを体験したと思えば納得も行く。ただ、2時間ちょっとで2,200円というのはなかなかに割高なアトラクションだと思う。娯楽として誰にでも薦められるかというとちょっと微妙だと思った。